半世紀余りにわたる執政の実踐で、中國共産黨は民主的執政に関する一連の重要な思想を形成し、民主的執政の制度システムを確立するとともに、いま民主的執政の新しいルートと方法を積極的に模索している。中國共産黨の広範な黨員の民主についての意識はたえず強くなり、黨の各クラス幹部の民主的作風は明らかに改善されている。
民主的執政とは、中國共産黨があくまで人民のために執政し、人民に頼って執政し、人民が主人公になるのを保証し、人民民主主義獨裁および黨と國家の民主集中制を堅持し、完全なものにし、黨內民主を発展させることによって人民民主を推進し、発展させることである。2004年9月、中國共産黨第16期中央委員會第4回全體會議は「中國共産黨中央委員會の黨の執政能力建設強化に関する決定」を行い、民主的執政を科學的執政、法による執政とともに中國共産黨の執政の基本的方式として確立し、中國共産黨の民主的執政の能力を増強し、民主的執政のレベルを高める新しい段階を切り開いた。
(一)指導體制と活動メカニズムを改革し、完全なものにする
中國共産黨の國家と社會に対する指導は、主に政治、思想、組織面の指導である。つまり黨の基本理論、綱領、路線に基づき、重要な政策?方針の制定、立法面の建議提出、重要幹部の推薦、思想教育の展開を通じて、黨組織と広範な黨員に役割と影響力を発揮させ、黨の指導を実現させることである。
実踐の中で、中國共産黨はあくまで科學的に、民主的に、法によって執政し、指導體制と活動メカニズムをたえず改革し、完全なものにし、執政黨が全局を総攬し、各方面を協調させる原則にのっとって、黨委員會と人民代表大會、政府、政治協商會議、人民団體との関係を規範化させている。一方では、黨委員會は同じクラスの各種機構の中で指導的中核の役割を果たし、各方面が獨立して責任を負い、歩調を合わせて活動を行うのを支持し、これら機構の黨組織と黨員幹部を通じて黨の路線?方針?政策および黨委員會の重要な決定と活動計畫を貫徹し、他方では、人民代表大會が法によって國家権力機関の機能を果たすのを支持し、民主的討論と法的手続きを経て黨の主張を國家の意志に変え、黨組織の推薦する人を國の政権機関の指導者にならせるとともに彼らを監督し、政府が法律で定めた機能を果たし、法によって行政を行うのを支持し、裁判機関と検察機関が法により獨立して公正に裁判権と検察権を行使するのを支持し、政治協商會議が団結と民主という二大テーマをめぐって政治協商、民主的監督、參政議政の機能を果たすのを支持し、民主諸黨派との協力を強化し、中國の社會主義政黨制度の特徴と強みを十分に生かし、労働組合、共産主義青年団、婦人連合會などの人民団體が法律および各自の規約に基づいて獨立自主に活動を展開し、黨が各方面の人民大衆とつながりを保つ架け橋、きずなの役割をよりよく果たすのを支持する。
(二)黨內の民主を発展させる
黨內の民主を発展させて人民民主の発展を推し進めることは、中國共産黨の民主的執政の重要な內容である。ここ數年來、中國共産黨は黨內の民主を発展させる面でたえず新しい進展をとげた。
――黨員の民主的権利を保障するメカニズムの構築と健全化に努める。2004年9月、中國共産黨中央は改正した「中國共産黨黨員権利保障條例」を公布した。同條例は黨規約の定めた黨員の権利と義務を基礎とし、黨內民主発展の新鮮な経験を総括して、黨員の民主的権利行使のプロセスを完全にし、黨員の民主的権利行使をいちだんと制度化、規範化させている。
――黨の代表大會制度を健全にし、完全なものにする。中國共産黨は県以上の各クラス黨組織に黨代表大會制度を設立している。黨の全國代表大會、省(自治區、直轄市)、區を設置している市と自治州、県(旗)、自治県、區を設置していない市と市轄區の黨代表大會は5年ごとに一回開かれる。黨の各クラス代表大會に役割をいちだんと果たさせるため、1980年代末から、中國共産黨は5省の12市?県?區で黨代表大會常任制を試行し、著しい効果をあげた。中國共産黨中央は黨代表大會代表の提案制度の確立を決定し、市、県で黨代表大會常任制を試行する範囲をいちだんと拡大し、黨代表大會閉會中に代表に役割を果たさせる方途や形式を積極的に模索している。
――黨委員會全體會議に役割を果たさせる。中國共産黨は集団指導、民主集中、個別論議、會議決定の原則にのっとって、黨委員會內部の議事と決定のメカニズムを健全にし、完全なものにするように努め、各クラス黨委員會全體會議の役割をいちだんと強化している。中國共産黨第16期中央委員會第3回、第4回、第5回全體會議で、中國共産黨中央総書記は中央政治局常務委員會を代表して活動報告を行った。これは新しい中央指導グループが中央委員會全體會議にいちだんと役割を果たさせるための重要な措置である。各クラスの地方黨委員會の指導グループも中央の要求にしたがって、同じクラスの黨委員會全體會議に活動報告を行い、その監督を受けるようにしている。
――黨內の選挙制度を改革し、完全なものにする。中國共産黨は黨內選挙の候補者指名方式をたえず健全にし、完全なものにし、民主的推薦を経て、組織による指名と黨員による指名を結びつけている。差額選挙の比率を適當に高くし、黨の末端組織の指導グループメンバーの直接選挙の範囲を逐次拡大している。
――黨內監督メカニズムを構築し、健全にする。2003年12月、中國共産黨中央は「中國共産黨黨內監督條例(試行)」を公布し、はじめて黨內法規の形式で黨內監督の重點、方途、方法など重要な問題について全面的な規定を行い、黨內監督の重點的対象は各クラスの指導機関、指導幹部、特に各クラス指導グループの主要責任者であることを明確にした。2003年12月、中國共産黨中央は改正した「中國共産黨規律処分條例」を公布し、新しい情勢の下で黨員の各種紀律違反行為の処理に対し全面的、具體的、明確な規定を行った。
(三)幹部人事活動の民主を拡大する
長年らい、中國共産黨は幹部人事制度をたえず改革し、幹部人事活動の科學化、民主化、制度化の推進に努めている。
一は科學的な幹部選抜?登用と監督?管理メカニズムを構築し、健全にする。2002年、中國共産黨中央は「黨政府指導幹部選抜任用工作條例」を公布し、指導幹部選抜任用の各段階の活動に対し全面的規定を行って、同活動を完全なものにした。
二は公開に選抜し、競爭によって職務につく制度を推進する。「黨政府指導幹部選抜任用工作條例」および2004年に中國共産黨中央委員會弁公庁の公布した「黨政府指導幹部公開選抜工作暫定規定」、「黨政府機関の競爭による職務就任に関する暫定規定」は、公開選抜と競爭による職務就任の適用範囲、選抜プロセス、試験?考察方法、規律と監督などについて明確な規定を行い、同活動の経常化、制度化を推し進めた。
三は黨委員會の幹部選抜?任用に対する民主的決定メカニズムを完全なものにする。2004年、中國共産黨中央は経験総括を踏まえて、「黨の地方委員會全體會議の一級下の黨委員會、政府の指導グループの正職の候補人選と推薦人選の表決規則」を公布した。同規則は、市(地區、自治州、盟)、県(市、區、旗)の黨委員會、政府の指導グループの正職の候補人選と推薦人選は、一般には一級上の黨委員會常務委員會が指名するとともに全體會議に提出し、無記名投票で表決すべきであるが、黨委員會の閉會期間に任用する必要がある場合は、黨委員會委員の意見を聴取すべきである。
四は國家公務員制度を推し広める。「國家公務員暫定條例」は1993年10月から実施を始め、多くの資質がよく、年齢が若く、學歴が高い優秀な人材は公開試験、優秀者優先採用の方法を通じて國家公務員になった。2005年4月、全國人民代表大會常務委員會は「中華人民共和國公務員法」を審議、可決し、2006年1月から正式に実施することを決めた。同法の公布、実施は、幹部人事工作の科學化、民主化、制度化を推し進める重要な措置であり、法による國家管理の政策を貫徹し、社會主義の民主政治建設を推し進める上で重要な意義がある。
(四)権力に対する制約と監督を強化する
中國共産黨は構造が合理的で、配置が科學的であり、手続きが厳密で、制約が効果的な権力運行メカニズムを構築する目標に従って、権力に対する制約制度の確立を幹部に対する効果的監督と結びつけている。一は指導機関、指導幹部、とりわけ各クラス指導グループの主要責任者に対する監督を強化する。それには民主集中制および指導グループ議事規則の実行狀況、指導幹部の重要な事項の報告、職務遂行と廉潔活動の報告、民主的評議、談話と勧告、組織の問い合わせ書簡への返書などの制度の実行狀況に対する監督が含まれている。二は重點的な段階と部位の権力行使に対する監督を強化する。それには幹部の選抜?任用、財政資金の使用に対する監督および國有資産と金融に対する監督?管理などが含まれている。三は各監督主體に役割を十分に発揮させ、監督の全體的効能を高める。それには黨內監督強化、人民代表大會の監督、政府専門機関の監督、司法監督、政治協商會議の民主的監督、世論監督に対する支持と保証などが含まれている。
長期にわたるたゆまぬ努力を経て、中國共産黨は中國の國情にかなった、権力を制約、監督し、腐敗に反対し、廉潔を提唱する制度、メカニズム、方法を初歩的に探し當てた。2005年1月、中國共産黨中央は「教育、制度、監督をともに重視する腐敗懲罰?予防システムの確立?整備に関する実施綱要」を公布し、根本的問題と枝葉の問題を同時に解決し、総合的に整備し、処罰と予防を同時に行い、予防を重視する方針に従って、教育、制度、監督をともに重視する腐敗懲罰?予防システムの確立?整備に対し全面的な配置を行った。
ここ數年來、中國共産黨は民主集中制の原則にのっとって、黨務公開を徐々に推し進め、黨內情況通報、重要な決定についての意見聴取、指導幹部の重要な事項に関する報告と所得申告などの制度を確立し、完全なものにし、腐敗反対?廉潔提唱活動で制度に重要な役割を十分に発揮させている。中國共産黨は腐敗反対の制度化?法制化建設をいちだんと強化し、腐敗反対の指導システムと運行メカニズムをたえず完全なものにし、腐敗反対?廉潔提唱の法規制度建設の総體的企畫と中?長期計畫を制定し、制度と法律によって権力の行使をよりよく規範化させる。國家立法機関の廉潔立法を加速し、腐敗反対の専門法律を検討、制定し、刑法、刑事訴訟法など関係法律の規定を改正、整備する。腐敗現象を生む土壌と條件を減らし、取り除くため、幹部人事制度、司法體制、行政審査認可制度の改革および財政金融體制、投資體制、國有資産に対する監督?管理などの改革を引き続き深化させる。
中國共産黨は黨員幹部の規律?法律違反事件を厳しく取り調べ、処分し、腐敗分子を斷固として一掃し、処罰している。2003年12月から2004年11月にかけて、各クラスの規律検査?監察機関は合わせて16萬2032件を立件し、16萬602件の審査を終了し、16萬4831人に黨と行政の紀律処分を與えた。その中に県(処)クラスの幹部が5916人、庁(局)クラスの幹部が415人、省(部)クラスの幹部が15人ある。犯罪の容疑があるため司法機関に移送されたものは4775人で、黨と行政の紀律処分を受けた人員総數の2.9%を占めた。
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