雲南大學でこのほど、中國の少數民族のDNAバンクが設立された。同大學が4日明らかにした。DNAバンクには中國の高山族を除く54の少數民族の遺伝子情報が集められた。
中國には56の民族がおり、世界でも人類の遺伝子資源が最も豊富な國の一つだ。
同大學で設立されたDNAバンクには、少數民族1萬人分以上のサンプルが保存されている。これは、中國の臺灣省以外のあらゆる省、高山族以外のあらゆる少數民族を網羅するDNAバンクで、サンプル量、収集民族數ともに國內で最も揃ったものといえる。
中國少數民族DNA遺伝子バンクプロジェクトチームの責任者で、雲南大學生命科學院の肖春傑教授は、次のように説明する。「同大學の中國少數民族DNAバンクは2000年に作成が始まったもので、DNAの配列解析、データ分析、細胞培養などの技術開発の場となっている。このプロジェクトは國際ヒトゲノム計畫の基準を參考にして、4年余りの時間をかけて完成した。プロジェクトチームの研究者たちは、54の少數民族および遺伝性疾患の見られる家系に対して血液サンプルを採取し、DNAを抽出?保存した『中國少數民族DNA遺伝子バンク』を設立した。また、血液サンプル採取とDNAの整理?保存に関する二つの國家技術規定を制定した。
同時にプロジェクトチームは、遺伝の多様性および民族の源流と遺伝性疾患の遺伝子の研究も進めており、遺伝構造の特徴と民族の源流についても探索と究明を行うとともに、遺伝子診斷、遺伝性疾患予防の研究も進めている」。
関連の専門家は、これらの研究は中國における人類遺伝資源の保存と利用、安全保障、および地域の健康確保にとって、非常に重要な意義を持つとみている。
寫真:少數民族から血液採取を行うプロジェクトチームの研究者。
「人民網日本語版」2006年9月6日