より多くの國民に財産所得を
未來の発展の方針を示す中國共産黨の第17回全國代表大會(黨大會)が先日閉幕した。黨大會報告に盛り込まれた數多くの新たな表現は、人々に新鮮な印象を與えるとともに、深い思索へと誘った。
経済面でも「経済成長モデルの転換」が「経済発展モデルの転換」に取って代わり、「より多くの民衆が財産所得を得られるような環境を整える」が初めて記されるなど、多くの変化があった。
この文言は、財産所得が労働による所得と同様に、國民の所得増加の手段であることを明らかにしている。実際、財産所得、給與所得、移転所得、事業所得は、共に可処分所得に屬する。他の國々と同じく、1人當たりGDPが2千ドルを突破し、國民の手中に一定の財産が蓄積されれば、財産所得は徐々に、中國國民の新たな、そして重要な所得源へとなっていくだろう。資本市場を含む各種金融市場の発展にともない、投資家の仲間入りをし、投資を通じて企業と國の経済成長の「うまみ」を分かち合う人々が増加していくはずだ。
改革開放前は、圧倒的多數の國民にとって、収入とは直接的な労働によるものだった。改革開放後、労働により富を築く個人経営者が現れ、続いて、労働所得と投資所得をしばしば兼ね備える、大量の私営企業家が出現した。近年では、株式購入、ファンド購入、家屋賃貸、蕓術品収集などを含む投資行為によって収益を得る人々が次第に増加し、一種の風潮にまでなっている。財産所得は、豊かになった國民が富を蓄積する重要なルートの1つになってきている。
財産所得の増加が大きな流れに
國家統計局発表のデータは、中國國民の財産所得の伸びが次第にスピードアップしていることを示している。2000年には、都市部住民の世帯平均所得中、財産所得は128元に過ぎなかった。これが昨年には240元を突破し、住民所得の2%前後を占めるまでになった。昨年1年間で、都市部住民の財産所得の増加率は24.4%で、住民所得の10.4%の伸び率を大幅に上回る。財産所得が、世帯資産の新たな成長ポイントとなっていることは間違いない。
専門家は「中國國民は財産所得増加の黃金期に入りつつある」と指摘する。一定の資産をすでに持つ國民は、財産所得の創出に努めている。近年、銀行預金、有価証券、不動産、収蔵品など、國民の資産は急速に伸び、これによる利息、配當、賃料、賃貸収入、付加価値収入も倍増している。
このほか、中國は高齢化社會に突入しつつあり、年齢層の中心は間もなく青年?中年から中高年へと移行する。米國で株券保有率が最も高い年齢層は55~64歳と65~74歳だという。長年の収入と資産の蓄積にともない、中國の中高年の資産管理需要が集中し、財産所得も急伸することだろう。
遠く重い資本市場への道
中國証券監督管理委員會の尚福林主席は「財産所得は必然的に各種の投資と関係する。実業面の投資のほか、預金?債券?保険?株式といった金融商品も含まれる」と指摘する。大多數の市民にとって、資本市場が財産所得を得るための主要ルートの1つになることは間違いない。
一般の市民にしてみれば、これまでなかった資産運用による収益のチャンスが、今まさに訪れようとしているのだ。預金を株式市場に移す流れが昨年10月以降止まらないことはデータからも明らかだ。無數の投資家が現在直面している重要な課題は、自身の資産運用能力を高め、リスク意識を確立し、家庭収入の多元化を図ることだ。
これは資本市場にとっても同様に、発展の絶好のチャンスだ。専門家は「市民の多様な投資ニーズに適応するため、各種の資本市場を整備すべきだ。第17回黨大會報告が打ち出したように『資本市場の構造を改善し、多ルートで直接融資比率を引き上げる』ことが必要だ」と提案する。
「人民網日本語版」2007年10月24日