現在、為替レートが歐州、日本、米國、中國などの主要國にとって最大の関心事となっている。グローバル為替市場の一層の複雑化を背景として、人民元の対米ドルレートの上昇が鈍化している。「國際金融報」が伝えた。
中國外國為替取引センターが28日発表したデータによると、人民元の対ドルレート基準値は1ドル=6.7051元で、前営業日比47ベーシスポイント上昇した。だが27日の基準値は1ドル=6.7098元で、同101ベーシスポイントの低下だった。人民元対ドルレートの引き続いての大幅な上昇傾向が鈍化し始めている。
上海社會科學院金融研究センターの潘正彥副主任によると、人民元の上昇圧力はこれまで消え去ったことはなく、中國は人民元が上昇するかどうかは外部からの圧力によっては決まらないと表明しているが、これまでの大幅な上昇は確かに外からの影響を受けており、人民元のこのような変動ぶりは変化の多い貿易関係の動きと一致する、という。
とはいえ、米國などは人民元に圧力をかけるのをやめるわけにいかず、人民元も一度に大幅に上昇することはできない。ある証券會社のアナリストは「現在もなお、米國の一連の経済データが市場に影響を與える最大の要因であり、米経済データは依然としてあまり好転せず、一層の弱まりさえみえるため、市場では米連邦準備制度理事會(FRB)が量的緩和政策をたびたび発動するのではないかとの期待が高まっており、これが米ドルの落ち込みを直接的にもたらしている。このため人民元の対ドルレート上昇幅が狹まることになる」と話す。