林國本
今年から中國は第12次五カ年計畫に著手することになったが、今年もすでに第1?四半期が過ぎ、全國的に見ると、かなり幸先のよいスタートを切っているようだ。改革、開放政策の実施30年來、中國経済は大発展をとげ、今やG20、BRICSの一員として國際的地位も向上したが、急速な発展の中で、いろいろ新たな課題を抱え込むことにもなった。これは中國自身も一応気づいていることであるし、人民代表大會や政治協商會議での代表、委員たちの発言を見ても、これから中國がどのような課題の解決に取り組んでいくのか、ということが一応読み取れる。また、中國の指導層の人たちの各地視察の際の発言などからもそれを読み取ることができる。要するに、今世紀の中葉頃に中國が中等レベルの発達國の仲間入りを果たすことは國民のほとんどが、まちがいないと見ている。しかし、これからの発展の過程で乗り越えなければならないハードルの存在も、ほとんどの人が見て取っている。また、そのハードルも、いろいろ曲折があろうとも、かならず乗り越えられることも、ほとんどの人たちが確信している。そういう確信を持った人たちが増えているからこそ、國外でいろいろゴタゴタが生じても、そして、ごく少數のものが中國でも何らかの物事が起こるのではないかと夢見ても、結局なにも起こらないか、たとえあったとしてもごく少數の國情を知らない人たちが騒ぎを起しても、それに追従する人がいないことは、中國では大多數の人が、中國には中國の発展の道があるはずだということを認知したからだと思う。私は長年ジャーナリズムの世界に身を置いてきた人間なので、外國のメディア、書籍に語られ、書かれていることはほとんど知っているが、私はつねに中國の國情と結びつけて物事を考えているので、どんな激越なものを見ても、たえず一中國國民としてどう対応すべきかを考えているので、これまで外國で特派員生活を長年過ごしたこともあるが、風に揺れたことはない。
しかし、中國が発展途上國から中等レベルの発達國へのシフトするために越えなければならないハードルについては、時々考えてもいる。また、友人、知人の中にシンクタンクに勤務している人もいるので、その人たちの高い次元からの発言も、私的見解として參考にしている。