◆銀行業界に好材料をもたらす
資産証券化の再開は、自己資本基準の引き上げによる影響を緩和し、資産と負債の期間のマッチングを促し、銀行業界にとっては好材料となる。
建設銀行の関係者は中國証券報の記者に対し、「資産証券化により、商業銀行は一部のリスク資産を、貸借対照表から外すことができる。また銀行資産の流動性を高め、リスク資産の規模を縮小し、自己資本充足率の計算におけるリスク?アセットを小さくし、自己資本充足率を高め、監督管理の要求を満たすことができる」と説明した。
資産証券化はまた、資産と負債の期間のマッチングに役立つ。銀行融資は短期調達?長期運用を特徴としており、資産と負債の期間にミスマッチが存在する。資産証券化により、資産の期間を短くし、資産と負債の期間のマッチングを促す。また資産証券化は預貸率を引き下げ、資本調達の圧力を緩和し、資産と負債の構造を調整する。資産証券化の再開後、負債を生む事業が増加しない限り、銀行の預貸率の改善が可能となり、負債コストの増加を抑制し、リスク資産規模を縮小し、資本調達の圧力を緩和できる。
ムーディーズは、「監督管理機関が資産証券化を批準すれば、預貸率が監督管理の要求(75%)に近く、資本狀況が思わしくない株式商業銀行にとって、好材料となる」と分析した。これらの銀行には、招商銀行、深セン発展銀行、光大銀行が含まれる。
資産証券化は銀行業にとって、新たな利益成長の原動力が1つ増えることになる。前回の資産証券化で対象となった資産は、主に質の高い公的融資と抵當貸付で、海外の不良資産による証券化とは大きく異なった。資産擔保証券の違約リスクを低下し、參入者にも利益獲得のチャンスが殘され、新たな利益成長がもたらされる。
「中國証券報」より 2012年6月20日