最近の報道によれば、釣魚島問題の影響を受け、中日の通貨直接取引が頓挫するかもしれないという。また、今年內(nèi)にスタートする予定だった中日韓自由貿(mào)易區(qū)(FTA) 交渉も、釣魚島問題などの影響を受けて停滯している。これにより、釣魚島問題から派生して、世界GDP2位と3位の國の間の経済摩擦、そして対立が避けられなくなりつつある。　

今のこの不確かな世界では、大勢を洞察する必要があるとわかっている。今、世界経済には依然として巨大な不確実性が存在し、國際金融システムの改革も遅々として進まない。こうした現(xiàn)象は、ともに第二次大戦以來、世界で最も成長の機動力と安定器であった米國に、現(xiàn)在、世界経済を安定と持続可能な成長の環(huán)境に引っ張っていく能力と願望がなくなっているからだろう。既得利益を守るため、米國は國際金融システムの改革を遅らせようと必死だ。更に、巧みに主な競爭相手の間にある様々な矛盾を利用し、ごたごたを引き起こして、世界の視線をそちらにひきつけ、そして機會に乗じてドルを強化しようとしている。　

中國は米國から認定された「高い価値」がある戦略的抑圧すべきターゲットとして、米國の國家競爭戦略でどうしても非常に重要な地位を占めている。米國は、通常の競爭により、中國の経済と金融業(yè)の発展を抑えるには、時間と力がかかるだけではなく、効果も非常に少ないと考えている。そのため、中日間の釣魚島問題が貿(mào)易と金融協(xié)力に影響を及ぼしている時に乗じて、米國は高みの見物が出來る上、十分に自信がある量的緩和政策第３弾（ＱＥ３）を打ち出すことが出來た。　

本來、地域経済協(xié)力や人民元國際化という重要な措置として、二國間の通貨取引、さらに戦略意義を持つ自由貿(mào)易區(qū)交渉ともに、ウィンウィンの効果をもたらすものだ。もし、人民元と日本円の両替が徹底的に相互取引になれば、東アジア諸國のドルに対する依存度は明らかに軽減される。しかも、二國間貿(mào)易で、日本の中國に対する依存度は非常に高いため、自由貿(mào)易區(qū)が確立されれば人民元の地域國際化は大幅に進む。これは米國にとってはよろしくないことであり、そのため米國はずっと中日間の貿(mào)易と金融協(xié)力にたいして警戒感があり、様々な手段で中日両國の努力した成果を損なってきた。　

國家間競爭の角度から見ると、これまで30年間、米國は世界金融と産業(yè)分業(yè)分野でのトップという地位を維持し、ローコストで超過利潤を得ることを続けてきたため、金融と貿(mào)易手段をうまく利用して主な競爭相手の挑戦を抑えてきた。たとえ同盟國である日本とEUと直面していた時も例外ではない。みんなが知っているように、戦後から日本と米國の戦略的パートナーシップは中國よりはるかに結(jié)びつきが強かったが、日本の実體経済と金融分野での成長が米國の現(xiàn)有の地位を脅しはじめると、米國は容赦なく金融では切り上げをし、1985年の「プラザ合意」は日本の為替レートの主導(dǎo)権をほとんど奪い、円の國際化の進展はそれ以後、ずっと実質(zhì)的な発展はなくなった。　

今、米國は、主な競爭相手として中國に狙いを定めている。必ず全面的に封じ込めようとするだろう。多くの學者が指摘したように、人民元の國際化が実現(xiàn)する前に、まず周辺化をしっかりと行うことが必要だ。中日通貨取引協(xié)議には重要な意義がある。もし、この2つの貿(mào)易大國であり、GDPが世界上位に位置する國が、ドル決算システムに挑戦する努力を中斷すれば、最大の利益を得るものは明らかに米國である。米國が苦心して運営している國際金融システムは、ユーロ、金融危機などのショックを経験しても、なお依然として、人民元に対する抑圧をしながら引き続きこれで支えられている。　

この重要な時に、中國は冷靜に考え、しっかりとした金融國際化戦略を進める必要がある。一方、できるだけ早く一流の工業(yè)経済システム、成熟した國內(nèi)金融市場、健全な金融法律制度、敏感なリスク管理、および成熟した金融管理マネージメントを形成する必要がある。これらは金融國際化を裏付ける條件である。また、中國が金融強國になってから直面するだろう多くの制約條件を見すえ、理性的に引き続き出てくるだろう様々なプレッシャーや妨害に対応する準備をしなければならない。ほかの國と安定した金融通貨協(xié)力體制を築き、また、米國の用意した落とし穴に落ちないためにも、今の人民元の國際化で得た成果を維持すべきだ。

「中國網(wǎng)日本語版（チャイナネット）」2012年10月1日