祭成平

「日本の電子産業は一體どうしてしまったのか」、「日本の大手電子企業はどうして巨額の赤字を出したのか」、「日本の電子産業はこのまま衰退してしまうのか、それとも復活を果たすのか」……。近年、日本の電子産業大手が巨額の赤字を出し続けていることから、衰退論が日増しに高まっている。

多くのメディア報道の內容は、明らかに盲目的な傾向がある。ソニーやパナソニック、シャープなどが巨額の赤字を出すや、すぐさま全ての日本電子産業が衰退しているという論調になるのだ。赤字の具體的原因を語ることもないし、部分的な赤字なのか、全體的な赤字なのかを分析することもない。そもそも、ソニー、パナソニック、シャープは日本の電子産業そのものなのだろうか。いや違う。これらの企業だけをもって語れるほど、日本の電子産業は単純ではない。

日本の電子産業全體は、依然として安定

自動車産業と電子産業は、「産業立國」路線で育成された日本の二大産業である。とりわけ日本人にとっての電子産業に対する誇りは、自動車産業以上である。というのは、自動車産業は歐米にトヨタや日産などと並ぶ企業が存在している。しかし日本の電子産業の技術はかつて、全世界の頂點に君臨していたからだ。

現在でさえ、日本の電子産業の主要な競爭相手であるサムスンやアップルは、日本の技術の多くに依存している。サムスンの技術は、基本的には日本企業が作り上げたものから成り立っている。ソニーが流出させた技術人材の多くは、サムスンに流れた。

韓國は日本に対し、長期にわたって貿易赤字となっている。赤字の約60％が、材料や精密部品の輸入である。サムスンやLGといった大企業の製品のコアとなる材料や部品は、基本的に日本からの輸入品である。その価格は安くないが、疑いなく韓國の産業発展の大きな推進力となっている。