商務部(商務省)の高虎城?部長は両會(全國人民代表大會と全國政治協商會議)の記者會見で7日、中國の昨年の大陸部外での消費が大まかな統計で1兆元(約19兆円)を突破したことを明らかにした。驚くべき數字のように見えるが、海外旅行者數が昨年、年間延べ1億人に達したことを考えれば、一人當たりの消費は1萬元で、それほど常軌を逸した數字とも言えない。新華網が伝えた。
「ここ2年、中國人の國內外の消費には興味深い動きがある。國內では消費の個別化と多元化が進んでいる一方、國外での消費は単一化と集中化を続けている」。1億人の海外旅行者が同じ商品を買っているとすれば、こちらはちょっと常軌を逸している。
集中型の消費は、昨年の中央経済政策會議でも話題となった。集中型消費が起こる時には、消費者の他者を模倣しようとする志向が強く、各自の獨創的なアイデアは目立たず、限られた商品が一定期間に過剰な人気を集める。
21世紀の初めにはスポーツウェアが大流行し、中國のどこに行っても國産ブランド「李寧」(Lining)の姿が目立った。集中型消費は、消費能力が低い時に生じやすいとされる。住民の収入が高まり、収入區分がはっきりし、商品の供給とサービスが豊かになると、消費の多様化?個別化が進む。國內市場ではこの消費の集中の段階はすでに過ぎたとされる。
だが高虎城部長の指摘した通り、國內外の事情は対照的である。フランスに行けば香水、スイスでは時計、ニュージーランドでは羊オイル、日本では家電と便座。一人1萬元の高い消費能力を持つ海外旅行者がなぜ、消費能力が低い時の特徴である集中型消費に走るのだろうか。