中國人民銀行(中央銀行)のデータによると、中國中央銀行の4月末時點の金準備は7280萬オンスで、前月の7274萬オンスから6萬オンス増加し、18カ月連続の増加となった。
中國中央銀行だけでなく、世界各國の中央銀行による「金購入ブーム」が続いている。ワールド?ゴールド?カウンシルがこのほど発表した2024年第1四半期の「Gold Demand Trends」報告書によると、世界の金需要は第1四半期に前年同期比3%増で1238トンにのぼった。世界の中央銀行は急速な金購入の流れを保っており、世界の金準備は第1四半期に290トン増加した。市場の変動とリスク拡大の狀況下、各國の中央銀行は大量の金購入を維持している。これは國際的な準備及び投資の組み合わせにおける金の重要な力を表している。
光大銀行金融市場部マクロ研究員の周茂華氏は、「各國の中央銀行は近年、金準備を増やしている。これは主に公的準備資産の構造を最適化し、その多元化を促し安定性を強化し、國際金融市場の変動に耐える力を強めるためだ。現在はドルの信用が低下し、國際金融市場の変動が激しく、各國の外貨準備資産の多元化のペースが上がっている。単一の通貨及び資産への過度な依存を減らし、海外の政策からの影響を弱め、公的準備資産の安定性と流動性を高めている。同時に中央銀行の金準備の増加は、自國の國際市場における信頼と資金調達能力を高める一助となる」と述べた。
華安基金は、「世界経済の環境が日増しに複雑になり変化が激しくなる中、中央銀行の金準備の増加は通貨バスケットの多元化を実現し、ドルへの依存を徐々に弱める狙いがある。また、金のリスク分散の特性と高い流動性は、未來の不確実性及び外部からの衝撃に対応するため効果的な相殺を提供する。金準備は経済力の象徴であり、またリスク分散の手段でもある。その內在的な価値と市場流動性の特質により、金は各國の中央銀行が準備體制を強化する際に優先的に選ばれている」との見方を示した。
取材に応じた専門家と機関は今後について、世界の中央銀行による金購入ブームは続く見込みとした。華安基金の関係者は、「國際通貨體制は現在、深い変革を迎えている。ドルの世界における主導的通貨としての地位が徐々に弱まるにつれ、過去の経験によると、金という新舊金融體制は過渡期に各國中央銀行の重要な準備資産になる。中國中央銀行の金購入の狀況を見ると、中國の現在の金準備の割合は5%未満で、西側主要エコノミーの50%以上をはるかに下回り、世界の15%弱の水準も下回っている。金準備を適度に増やすことは、人民元の価値安定及び人民元國際化の促進に対して極めて重要な意義を持つ」と述べた。
「中國網日本語版(チャイナネット)」2024年5月20日