最近の中日間の政治家のやりとりを見ていると、根本的な認識のずれがあることに気付きました。
小泉首相は[何故靖國神社參拝が中國人の感情を傷つけるのかわからない」と言っていました。これは冗談抜きで、小泉氏は本當にそれを理解できないのです。認識不足と言われればそれまでですが、それで済む問題ではありません。日本の政治家が頻繁に中國の政治家に會っていったい何が話し合われているのでしょうか。
日本人はあまり歴史教育に熱心ではありません。かつてアメリカと戦爭をしたことすら知らない人もいます。一般的に日本人にとって大切なのは今現在であって、過去ではありません。かつてA級戦犯が何をしたのか、約60年前中國で何が行われたのかを知らない人は大勢いるし、興味を持つ人もほとんどいません。だから[歴史問題」は多くの日本人にとって「現在の問題」であり、大使館や領事館が中國の群衆に襲撃されたり、日本國旗が焼かれたりする映像が繰り返し流されると、その背景がまったく理解されること無く反中感情のみが増大することになります。靖國神社參拝や歴史教科書問題で中國が日本政府を非難するたびに、何も知らない日本人の感情が悪化し、結果的に石原慎太郎氏や安部晉三氏のような政治家の人気が高まり、右翼勢力が勢いづくという現象が起こっています。だから中國政府が中日友好を望むならば、一方的に日本政府を非難し逆に右翼を活性化させるようなやり方は、あまり賢いやり方とは言えません。
もし根本的に「歴史問題」を解決しようとするならば、政府ではなく一般の日本人の意識を変えること以外の方法はありません。一般の日本人の意識を変えようとするなら、かつてアメリカの政治家が貿易問題でやったように、わかり易い言葉遣いをすることです。テレビでよく中國政府の報道官が発言するのを見ますが、官僚的で格式ばって硬い言葉遣いは一般の日本人には理解されません。日本人に歴史を教えるのは日本政府の仕事かもしれませんが、効果的に歴史を理解させるためには一般の日本人にも理解できる言葉を使う必要があります。もし日本人の歴史認識が中國の小學生レベルなら、小學生にもわかる言葉を使うべきです。そうすれば中國が一方的に要求を突きつけているのではなく、理にかなった主張をしているのだということが一般の日本人にも理解されることでしょう。アメリカ政府は貿易不均衡問題でただ日本に圧力をかけたのではなく雙方に共通な基盤に立ち、日本人にもわかり易い言葉を使ったので関係の悪化を防ぐことができたのだと思います。
人民網日本語版読者からの投稿
「人民網日本語版」2005年8月10日