肥満は高血圧や心臓病の原因となることは知られているが、知力低下を引き起こすことが、米國の科學者の研究で分かった。しかし、この現象は男性のみに言えることで、女性には肥満と知力の因果関係は確認されなかった。米ボストン大學の研究グループは、1950年からマサチューセッツ州の男女1400人を対象に、2年おきに知力テストと身體検査を実施。53年間の研究の結果、肥満は男性の知力を低下させることが分かった。
科學者らは、知力テストで論理的な推理能力、言語能力、記憶力を測定し、肥満が知力に及ぼす影響を研究。この際、被験者の教育レベル、職業、血圧などの條件についても考慮して分析を行った。その結果、體重が標準體重の30%を上回ると、知力レベルが平均23%低下することが分かった。
女性には肥満と知力の関係が認められなかったことについて、研究グループは、男性と女性では脂肪の付く部位が異なることが原因と見ている。研究員によると、男性は肥満によって脳に血液が行き渡りにくくなり、軽い脳卒中や脳出血が頻発することがあるため、大脳の働きに大きく影響する。また、児童は脳の発育段階にあるため、肥満による知力への影響は特に深刻となる。
研究結果によると、ダイエットによって知力の低下はなくなるが、一旦ダメージを受けた部分を再び回復させることは不可能という。
「人民網日本語版」2003年3月7日