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広東省にある開平の望樓は、2007年6月28日に世界文化遺産に指定された。寫真の「永慶樓」は比較的に保存のいい望樓の一つで、窓が全て鋼板でふさがれるなど望樓としての特徴がよく表れている。
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07年に華僑の歴史文化として唯一、世界文化遺産に指定された開平の望樓は、ここ2年間で住民が減少。そのため數年後は「無人村」となり、獨特な華僑の文化遺産が消えてしまうのではないかと心配の聲が上がっている。
広州で開かれていた中國國際文化産業フォーラムは1日に會場を開平に移し、開平の望樓保護について様々な意見が出された。
開平の村を歩くと、人を見かけることはほとんどなく、住んでいるのはほとんどがお年寄りと子供たちだ。村人によると、若者たちは外國や都市に出稼ぎに行き、住民はどんどん減っているという。
開平市の黃継燁?広報部長は「世界遺産申請の時、開平の望樓は文化遺産なのか自然遺産なのかと論議されたが、最終的には文化遺産に落ち著いた。つまり望樓を保護するだけでは不十分で、地元の人たちの生活スタイルも文化の一部として保護されなければならない。ところが今は「無人村」が現れ、「カナダ村」や「ミャンマー村」の住民たちも海外に行っている」と話す。
そして今後については「今の焦點は、保護や開拓、地元住民の環境、従來の生活や生産のスタイルに至るまで、いかに再生不可能な資源を利用して持続的な発展をするかで、貴重な世界遺産を私たちはきちんと管理しなければならない」と語る。
開平の望樓が世界遺産になった年の10月、宿泊施設は全て満室で、受け入れ能力が低いと報道された。一つ顕著な変化は、村人たちは望樓見學の入場料の一割を受け取ることができるが、その金額が世界遺産登録前の一人當たりわずか數百元から昨年の1800元に増えたことだ。
地元政府の関係者は「開平の村のほとんどの警備員やガイドは村人で、飲食店も村人が経営している。他からの出店を認めておらず、これも保護の一つだ」と説明。また中國社會科學院文化研究センターの張暁明副主任は「発展途上國の世界遺産保護は、先進國とは違った問題に直面している。特に貧しい地方では、文化遺産を観光資源として非常に重視しており、文化産業発展の點から見ると、獨特な文化資源は地方経済や特に文化産業を支える基礎になっている」と語る。
それに対してユネスコ世界遺産委員會中國駐在代表の杜暁帆氏はこう指摘する。「開平の望樓や村落は、観光としての機能を過度に強調しているが、世界遺産の産業化という表現は中國だけで、世界遺産は絶対に産業にしてはだめだ。関連産業の発展をもたらすかもしれないが、それ自體は産業ではない」
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「チャイナネット」 2009年12月4日