3カ月前、中國國家博物館は「LOUIS VUITTON – VOYAGES」と銘打ってルイヴィトン展を行った。8月末終了したばかりで、今度はブルガリのご登場という。また、國家博物館は世論の的になりそうだ。
世間の疑問に答える形で発言した國家博物館の責任者によれば、文化クリエイティブ産業という観點から、イタリアのデザイン美學、製造技術、ブランド管理や産業成長の軌跡は、參考にする価値が非常に高いという。
ビジネスブランドの展示はいけないものではないが、少なくとも工夫が必要で、その國家における立場や我々の文化に與える影響などを説明する必要があるだろう。しかも、獨立した一つのブランドだけの展示會であるのだから。また、どうであろうと、たった100年程度の歴史しかないビジネスブランドの持つ文化的要素やそこから伝わる意義は、中國數千年の深遠な文化が殘した文物と比べ、世界最大の博物館の48の展示室を使用するにふさわしいのだろうか?
博物館は短期的な臨時展を行うことは可能だが、まず基本的な陳列ありき、だろう。國家博物館には、中國が持つソフトパワーの文化の窓口的な役割が望まれている。殘念なことに、その展示は思想的にも陳列方法的にも、歴史伝承という責任感が感じられないものが多い。
シンガポールを參考にすると、長い歴史がある國ではないため、博物館にはほとんど文物といえるものがないものの、この國が融合してきた過程が非常によく理解できる展示となっている。中でもアジア文明館はアジア各國の文明が紹介され、中國を紹介している展示では中國の儒家文化がしっかりと説明されている。
翻って中國の國家博物館には、歴史的な観點から所蔵品の収蔵、展示、説明、陳列がなされるべきだ。參観者が我々は誰で、どこから來たのか、歴史的な発展の趨勢や方向がわかる展示であるべきで、また他國の文明の展示にも責任を負う必要がある。科學的な計畫を立てて各國の博物館の展示とよい交流を行い、中國の文明の世界文明の中での立ち位置を説明する。國家博物館のプラットホームで、古代エジプト、古代ギリシャ、インダス文明、古代ローマ、古代インドのなどの世界文明展を誘致することはさほど難事とは思えない。
國家博物館を參観する場合、無料で參観しようと思えば數時間の行列に並ぶ必要がある。10元のLV展の參観チケットを購入すれば行列の必要はない。多くの人は行列に並ぶならと10元を払う。國家が25億元を投資して改修した博物館が、このような恥ずべき展示狀況であるのは能力の問題ではなく、どのような思想で展示をしているのか、その視點や思惑の問題だと思われる。
「中國網日本語版(チャイナネット)」 2011年9月13日