稼働停止のボタンが押されると、実験ホールの水槽の覆いがゆっくりと開き、青い高純度水の中に浸った4臺のニュートリノ検出器が人々の前に姿を現した。4年間の計畫、4年間の建設、9年間の稼働によりデータを取得した大亜灣原子爐ニュートリノ実験裝置が12日、科學の使命を果たし正式に退役した。同裝置は中國第1世代ニュートリノ実験裝置で、中國科學院高能物理研究所が主導し、中米両國の科學研究者が協力し研究を展開したものだ。中國側がすべての実験室の建設と検出器の半數の開発を擔當し、米國側が約半數の検出器の開発を擔當した。他にも複數の國?地域が実験?建設と科學研究に參加した。新華網が伝えた。
同裝置は2011年12月に稼働開始した。科學研究者は2012年3月に、新たなニュートリノ振動の発見を発表し、その振動の幅を導き出した。この重大な発見は宇宙の起源の研究及び宇宙における反物質消滅の理解を促す。この成果は2016年度國家自然科學賞1等賞を受賞した。退役するまで、同裝置はニュートリノ振動幅の測量の精度を2012年の20%から3.4%に向上させた。データ分析完了後、最終的な精度は3%を上回る見通しだ。これは自然界の基本パラメータで、その正確な測量は重要な科學的価値を持つ。同裝置中國側責任者で、中國科學院高能物理研究所所長の王貽芳氏は「大亜灣実験裝置は科學目標を達成し、その科學研究成果もすでに予想以上に達しているため、退役を決定した。同裝置は次世代大型ニュートリノ実験裝置の建設の基礎を固めた。江門ニュートリノ実験裝置は2022年の竣工を見込んでいる。將來的にニュートリノ質量階層性の謎を解くことに期待できる」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2020年12月14日