倪陽
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1992年のセビリア萬博日本館の一部
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「東方の冠」をイメージした上海萬博中國館
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「東方の冠」をイメージした中國館の外観が、1992年のスペイン?セビリア萬博の日本館と非常によく似ているとの指摘がネット利用者からあり、インターネット上で議論が繰り広げられた。「新快報」の記者は、中國館のデザイナーの一人で、華南理工大學建築設計研究院の副院長である倪陽氏を獨占取材した。倪陽氏は中國館の盜作疑惑に関して初めて説明し、「中國館は盜作でない」と否定した。
記者
中國館が日本の建築家?安藤忠雄氏の作品の盜作ではないかと、インターネット上で騒がれていますが、多くの人が中國館の盜作疑惑について関心を寄せているのではないでしょうか。
倪陽氏
中國館と安藤忠雄氏の作品には異なる點があります。まず、安藤忠雄氏のデザインは一つの飾りであるのに対し、中國館は一つの建物であることです。これは比較できるものではありません。次に、構造上において、安藤忠雄氏の作品は厳密な比率で組み合わされていますが、中國館はパーツを自由につなぎ合わせた手法を用いています。3つ目に、これは一種の建築手法に過ぎず、安藤氏だけでなく、日本や中國を含むその他の建築家もみな使用していて、安藤氏のオリジナルではありません。
記者
似ているけど、同じではないということですか?
倪陽氏
そうです。誰かが四角い窓を作って、別の建築家も四角い窓を作れば、それは盜作になるのですか?また、雙方の建築の細部、材料、色、規模も大きく異なります。その上、こういったデザインは中國の斗拱がもととなっているので、実際は中國の伝統文化なのです。
記者
似通った建築設計に対し、業界では盜作かどうかを判斷する基準はありますか。
倪陽氏
業界では盜作を判斷する基準はまだありません。今回の誤解は、素人が一部だけを見てすべてを判斷したために起きたのではないでしょうか。別の目的がある人もいるかもしれませんが。2つの建物が似ているかどうかは、違いを見るか、それとも一致している點を探すかで決まります。似ている點を探せば非常に多いです。木と草を比べるとどれも緑だけど、それでも同じだと言えるでしょうか。
安藤忠雄氏「2つの建物は大きく違う」
日本の建築家?安藤忠雄氏は4月17日、北京で開かれたイベントに出席した際、上海萬博の中國館が自身の作品の盜作ではないかと疑惑が上がっていることについて語った。安藤氏は、「少し似ているようにも思えるが、建築はすべて形のあるものなので、似ている部分があるのは避けられない。なので、私の作品を模倣したと言うことはできないし、そのような見方をしてもいけない。2つの作品の尺度もまったく異なり、中國館は非常に大きい。私の作品とは大きく異なると思う」と述べた。
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「中國網日本語版(チャイナネット)」 2010年4月28日