アメリカが公表した月の畫像
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中國月探査プロジェクトの首席科學者、中國科學アカデミーの歐陽自遠會員は12月2日、ネットで広がっている「嫦娥一號による最初の月の畫像はアメリカの畫像をコピーしたもの」というデマを批判し、「嫦娥一號が伝送してきた畫像は確かに本物である。撮影、伝送、受信、処理などいった一連の非常に複雑なプロセスを経て形成されたもので、アメリカにより撮影された畫像とは細かい相違がある」と語った。歐陽氏は、さらに次のように述べた。
中國とアメリカが公表した畫像は、ともに月面の同じ地域を撮影したものであるため、似ているのは當然のことである。しかし、よく見比べると、中國が2007年に撮影したものと、アメリカが2005年に撮影したものとは、やはり細かい違いがある。
カナダ在住の華人、劉君(音訳)氏はこのほど、ある部分をよく見てみると、嫦娥一號による畫像には、二つのクレーターが寫されているが、アメリカの畫像ではクレーター1つしかないと違いを指摘した。これは、アメリカ側の寫真の解像度が低いか、2005年から2007年までに、月面は小さな天體がぶつかり、新たにクレーターができたという二つの原因が考えられる。
嫦娥一號により撮影された最初の月の畫像から、いろいろな情報が読み取れる。この畫像に映されているのは、月の南半球の高地であり、反射率が割合に高いため、やや明るくなっている。39億年ないし42億年前に形成された斜長巖に覆われており、クレーターが多くて密度も高い。畫像の右上のやや暗い色合いの地域は、クレーターの中に暗い色合いの玄武巖充満しており、32億年から38億年前に形成されたと見られる。形成年代がやや遅いので、クレーターが割合にまばらに分布し、密度も低い。クレーターは、碗形、中心錐形、多環狀形など、さまざまな形をしているが、多環狀型がもっとも多く、これは月面への衝撃によりクレーターの周辺も斷裂して形成されたものである。各クレーターにはそれぞれの形成過程があり、月の歴史を物語っている。
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「チャイナネット」2007年12月3日