「五子登科」(子どもがみな成功する)の吉祥図案は、中國特有の民間風俗であり吉祥物である。これには次のような古い言い伝えがある。あるところに竇禹鈞という人物がいて、地元でのさばり、悪事の限りを盡くしていた。しかしあるとき、夢の中で祖父の忠告を聞き、前非を悔い改めた。そして名を高め、5人の息子を得た。彼は息子を厳しく教えたため、5人とも品行も學力も優れた立派な人物に育った。「五子登科」の図には、子どもが竇家の子どもたちのように成功するようにという願いが表れている。
よく見かける「五子登科」の図の一つは、巣の上に立った大きな雄鶏が巣の周りにいる5匹の小さな鶏を呼んでいる様子を描いたもの。これは「叫子登第」と「教子登第」が同音であることからイメージされた図である。雄鶏の「鶏冠」(とさか)は「加官」(昇進)をほのめかしている。また、4人の子どもが1人の大きな子どもを囲んで、彼の手中から「頭盔」(かぶと)を奪おうとする様子を描いた図もある。これは「盔」と「魁」が同音であることから「五子奪魁」と稱され、子どもが試験で一番になるという意味が込められている。
「中國網日本語版(チャイナネット)」 2014年3月26日 |