約1億670萬ヘクタールにおよぶ砂漠化対策として、科學者の銭學森氏が1984年に農業型、知識集約型の産業として「砂漠産業」の育成を初めて提言して以來、企業とくに民間企業の進出が著しい生態産業の象徴ともいえる砂漠地帯の経済的利用をめざした砂漠産業が今、全國各地で目覚しい発展をとげている。
この20年近くの間に関連プロジェクトは1萬件を突破し、納付稅額は累計100億元。砂漠産業はすでに西部地區経済のけん引車となっている。
國家林業局防砂治砂(砂漠化防止?整備)弁公室の劉拓主任によると、政府が砂漠整備事業に対し利子を補助する政策的融資を実施したのは1992年から。省政府も利子補給政策を講じて、砂漠整備や砂漠産業の開発を支援してきた。その後、融資額は年を追うごとに増大し、すでに融資殘高は累計で40億元、中央政府の利子補助額は3億元を突破。砂漠関連企業の資金不足は緩和の方向にある。
甘粛省の武威や酒泉、內蒙古自治區の赤峰やバケンナオル盟にアラシャン盟、寧夏回族自治區の寧夏平原、陝西省の楡林などには砂漠産業基地が形成されており、今では貧困から脫け出す突破口となる産業でもある。寧夏の塩池県では企業家の余聰氏が約467ヘクタールの砂漠を開発し、年間20萬元の利益を上げている。余氏の呼びかけで全村74世帯の農家が株式制で砂漠開発に乗り出しており、1人平均収入は2002年に2200元余りに達した。同県ではこうした株式制の開発企業は現在300社超。
銭學森氏が提唱した砂漠産業は、自然科學や社會科學、エンジニアリング技術、運用可能なすべての知識を総動員して企業経営に當たるというもの。銭氏は「砂漠産業は西部地區特有の強みのある産業であり、“第6次産業革命”とも言える」と指摘し、將來は數千億元規模の産業に成長するだろうと予測している。
「チャイナネット」2003/11/13