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監(jiān)督　霍建起（フォ?ジェンチイ）

2009年　中國(guó)?日本合作　106分

2010年1月　日本公開(kāi)

あらすじ

臺(tái)灣で歌手としてデヴューした青島出身のメイは音楽プロデューサーのレイに戀をしていたが、聲が出なくなったことを相談しようとしてレイを訪(fǎng)ね、誤解から拒絶されたと思いこみ、行方をくらます。ふと、電車(chē)を降り立ったのは菁桐という小さな町。そこで町の人々の雑用係として働くモウという気のいい青年と知り合い、メイはモウの助けで下宿先やバイト先を見(jiàn)つけ、次第に心優(yōu)しいモウに癒されていく。

一方、有望新人歌手の失蹤を特ダネとして追いかける新聞?dòng)浾撙违弗悭氓陷纪─蛱饯樊?dāng)て、町の喫茶店で働くウェンディからモウとメイのことを知る。「失蹤するのは捜し出してもらいたいからだ」と言うジャックの言葉に、幼い頃に失蹤した母を思って、モウの心は揺れ動(dòng)く。

町を挙げての春節(jié)（舊正月）のお祭りの舞臺(tái)で、町の漢方醫(yī)の馬さんの薬のおかげで聲が治ったメイが歌っているところに、ジャックの知らせでレイが駆けつけてくる。一旦はレイと臺(tái)北に戻ったメイだったが、再び菁桐に帰ってくる。「２人で孔明燈を飛ばそう」というモウとの約束を守るために。

日本の元アナウンサー出身で韓流ライターとして活躍する田代親世さんの原作小説を、田代さん自身と中國(guó)の思蕪が腳色、繊細(xì)な演出で日本人に人気のある霍建起が映畫(huà)化した。臺(tái)灣オールロケにあたっては、臺(tái)灣の製作會(huì)社が全面協(xié)力、今後はますますこうした形のアジアの合作作品が増えていくことだろう。喜ばしい限りである。

さて、作品は霍監(jiān)督らしく、見(jiàn)終わったあとの余韻が何ともすがすがしく、心地よい出來(lái)に仕上がっている。実はストーリー自體はどことなく監(jiān)督のかつての作品『歌手』をほうふつとさせるもので、『歌手』よりさらに他愛(ài)ないのは、主人公たちの年齢が若返っていることとも関係があるのかもしれない。

監(jiān)督の夫人である思蕪のこれまでの腳本はナレーションが多すぎるのが欠點(diǎn)だったが、今回はまったくナレーションがなくなっているのも良い。実は元の臺(tái)本にはあったものが、編集段階でバッサリと思いきり良くカットされたらしいのも、ひょっとすると合作が良い方向に働いた結(jié)果かもしれない。

見(jiàn)所

何と言っても見(jiàn)どころは小チャン?ツィイーと評(píng)判のメイ役の童瑤だ。映畫(huà)の中でも「似てるでしょ」という臺(tái)詞があるぐらい、ふとした表情が瓜二つ。彼女以外の役者は全て臺(tái)灣の役者で、日本でも活躍する陳柏霖がデヴュー作『藍(lán)色夏戀』に戻ったような爽やか青年を好演している。兵役を終えたばかりのトニー?ヤン(楊祐寧)もイメージをガラリと変え、松田優(yōu)作ばりのアフロ?ヘアーで登場(chǎng)、この3人のアンサンブルの妙が効いている。さらに準(zhǔn)主役や脇に臺(tái)灣の人気若手とベテラン俳優(yōu)を配置して、なかなか豪華なキャスティングになった。下手に日本人を登場(chǎng)させなかったのが賢明だった。監(jiān)督が現(xiàn)地でスカウトしたという物真似蕓人の、ジェイ?チョウ（周傑倫）やジョナサン?リー（李宗盛）など臺(tái)灣有名蕓能人の歌真似も楽しい。

テーマソングとして使われているのは90年代に活躍した孟庭葦の『冬季到臺(tái)北來(lái)看雨』だが、92年のバージョンと2005年に出したセルフリメイクバージョンの両方が使われている。劇中でメイが歌っている聲は童瑤自身の聲ではなく、今、臺(tái)灣で人気のチア?チェン(陳綺貞)で、彼女の『旅行的意義』も使われている。主な舞臺(tái)となる菁桐は臺(tái)北から車(chē)で2時(shí)間ほどの町で、かつては日本の占領(lǐng)時(shí)代の炭鉱町だったという。日本風(fēng)の建物と町並みがまるで日本の地方都市のよう。その反面、臺(tái)北のいかにも大都會(huì)といった景色が映し出され、しかも臺(tái)灣の監(jiān)督作品よりも臺(tái)北が美しく撮られているのは、大陸の監(jiān)督が異郷人の目でその魅力を伝えようとしているせいかもしれない。

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