日本の福田康夫首相が年末に北京入りし、「迎春の旅」を開始した。06年の安倍首相の訪中「氷を割る旅」、今年4月の溫家寶総理の訪日「氷を融かす旅」に続く、日本の首相による再度の公式訪中は、國交正常化35周年の中日関係の改善と発展に円満な句點を打つものである。(文:劉江永?清華大學國際問題研究所教授)
筆者は今回の旅を「迎春の旅」と表現する。その理由はまず、福田首相が最近の取材で「日中関係は春を迎えた」「來年が日中関係にとって飛躍の1年となることを期待する」と表明したこと。次に、日本では元旦は中國の春節に相當し、新年を迎えることは新春を迎えることと同義であり、今回の訪問とちょうど時を同じくすること。第3に、暖かい春は中日関係のさらなる改善という良き願いを象徴し、中日雙方の共通の期待をいっぱいに含むと共に、互いの努力を通じてすばらしい現実に変えることができるということからだ。
福田首相の今回の訪中は充実した內容で、政治?経済?文化の3大分野を網羅する。福田首相は、北京で中國の指導者と雙方が関心を共有する重要問題について會談するほか、北京大學での講演などを通じて中國の數多くの青年?學生とのコミュニケーションを図る。天津開発區への訪問は、引き続き中國の改革開放を支持し、両國間の経済協力を推進しようとする日本政府の姿勢を體現するものだ。山東省曲阜市への訪問は、日本人にとって、精神と心の源を辿る旅であり、文化の旅であるのかもしれない。
福田康夫首相は中國人にとって決して見知らぬ存在ではなく、それどころか「古い友人」とすら呼ぶことができる。1978年8月の「中日平和友好條約」はまさに、その父である福田赳夫首相の在任中に締結されたのだ。福田首相は內閣官房長官時代の03年8月、「中日平和友好條約」締結25周年の際に中國を訪問した。現在は日本の首相として、靖國神社への不參拝に加え、歴史問題に謙虛に対処しなければならないとまで表明している。最近の會見で漢字1字で來年を表現するよう記者から求められた福田首相は、即座に「信」の字を挙げ、「信頼、信義の信だ」と強調した。対中政策の面では「日中関係の良好な発展は日中両國?両國民、そしてアジアと世界のいずれにとっても重要だ」とも強調している。日本側はこの基本認識の下、相互理解と信頼を基礎に未來志向の日中関係をさらに発展させることを望み、このために両國の未來を擔う青少年交流を柱に両國の各分野?各レベルの対話と交流を推進していく考えだ。
中日関係がなお多くの試練を抱え、歴史に殘されたいくつかの問題がなお存在することは、隠し立てするに及ばない。現在中國側が最も関心を抱いているのは、臺灣當局が執拗に推し進める「國連加盟住民投票」に対し、日本政府がどのような態度表明をするか、そして將來において臺灣海峽問題に介入するか否かだ。日本側が比較的関心を抱いているのは、日中が東中國海問題において突破的な進展を得られるか、そして地域的?世界的ないくつかの問題において、中國が日本の立場を支持するか否かだ。これらの問題を一歩一歩解決することは、中日両國の信頼構築と、「戦略的互恵関係」の形成にとってプラスとなる。
全般的に見て、2008年は中日関係の強化と発展にとってチャンスの年となるだろう。中日両國は「中日平和友好條約」締結30周年、「平和と発展のための友好協力パートナーシップの構築に関する日中共同宣言」発表10周年を迎える。「中日青少年友好交流年」と北京五輪の年でもある。中國の胡錦濤國家主席が日本を訪問する。中日ハイレベル相互訪問、國際的な場での両國首脳の會談、中日民間交流は高まりを迎える。これも中日関係の春の到來を示す重要な印だ。この意味から言って、福田首相の來訪は未來に著眼した地ならしの旅であり、迎春の旅であると言えるだろう。中日両國は手を攜え、共に努力し、中日友好の新春の到來を迎えようではないか。
「人民網日本語版」2007年12月28日