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木下佳代子さん:遠回りして得た幸せ
発信時間: 2009-05-21 | チャイナネット

夫と日本へ帰省した時、京都の三十三間堂で

?木下 佳代子

兵庫県尼崎市出身。大學卒業後、日本で3年間の會社勤務の後、中國へ?,F在、上海で中國人の夫と二人暮し。趣味は水泳、海外旅行。最近、家事に興味を持つ。夫に関西弁をマスターさせようとしている。

大學時代に中國語を専攻していた私は、一人旅などでは何度か中國を訪れていたが、卒業後は中國と無関係の會社に就職し、その後數年間、ビジネスで中國語を使うことはなかった。

しかし、やはり中國にどっぷりつかって生活してみたいという思いは消えず、仕事を辭めて2007年4月に浙江省杭州へやってきた。杭州では、ある企業內でインターンシップとして、日本語教師のようなことをしていたが、契約終了を機に就職活動をし、現在、上海の日系IT企業で、総務?翻訳?通訳?日本語教師?雑用何でも屋として勤務している。

「納期に追われ、殘業まみれ」で有名なIT業界なだけに、エンジニアのスタッフたちは非常に忙しい。共に働きながら日々感じていることは、みんな、とても真面目で、必死になって働いているということだ。よく「中國人は真面目に働かない」というような話を聞く。実際そういう部分もあるのかもしれないが、逆に「その日本人はいうほど一生懸命働いているの?」と、時々首を傾げたくなることもある。

そう思わせるのは、中國人スタッフの身體全體から発せられる「豊かになりたい」「働かなければならない」という、とてつもないエネルギーのせいかもしれない。働くということに対する必死さが違う。私の父母の時代、高度経済成長期の日本もそうだったのではないだろうか。目的は豊かになることでも、お金をためることでも何でもいい、とにかく貪欲に働くということは大きなパワーを生み出す。

?日系企業相手の會社なので、職場はできるだけ日本の習慣を取り入れようとしており、日本で働いてきた老板(社長)はよく社員に「日本人を見習え」と喝を入れる。

しかし、今の日本はどうなんだろう。最近では「給料が少なくてもいいから楽をしたい」という若者が増えているらしい。老板の喝を聞くたびに、私はこっそり「逆に彼らの必死さを見習わなければ」と背筋を伸ばしている。

大學卒業後、しばらく中國から離れていた私は、今でも時々、遅れをとった気になり、「學生時代に留學すればよかった」とか「早く中國に來ていればもっと中國語が上手くなっていたはずなのに」とか、人生を無駄に遠回りしてしまったんじゃないかと考えることもあった。が、振り返ってみると、結局は日本で働いた経験が今の仕事に役立っていること、杭州で中國人の夫に出會えたことなど、遠回りしなければ得られなかったことも多いと感じる。

いまは仕事の面以外にも、夫の家族との付き合いなど、もっとたくさんの中國に觸れることができるようになった。仕事と家事で毎日バタバタしているが、バイタリティーあふれる中國社會に溶け込み、精一杯、貪欲に働いていきたいと思う。

おすすめスポット
 自宅近くの大寧國際広場(上海市閘北區)。外資系のショップやレストランが並ぶ一帯は便利でおしゃれ。街歩きの雰囲気がコンパクトに味わえる。大手スーパーと隣接しているのでついでに買い物をして帰宅できる。

 

 

?人民中國インターネット版?より 2009年5月20日

 
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