文?岡田紘幸
日中國際親善協會中部支部代表の岡田紘幸さんは大學時代、海外インターンシップ事業を行う団體「NPO法人アイセック?ジャパン」(以下、アイセック)にて中國擔當の経験を持つ落合佑哉さんに、中國への思いなどを聞きました。
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岡田:中國とアイセックに関する當時のエピソードを聞かせて。
落合:はい。私は大學1年生~3年生の3年間、アイセックで活動をしていました。アイセックでは90カ國ほどの國(當時)で海外インターンシップを実現していたのですが、私は中國擔當として、特に日中友好を目的とした「日中間での海外企業インターンシップの実現」のために活動をしました。具體的には「企業內での仕事を通じた従業員同士の交流」「アイセックに所屬する大學生との大學生同士の交流の機會創出」により、日中間の異文化理解を深めるというもの。
日中間の海外インターンシップ実現までには、ビザがおりないなど、さまざまな問題があったそうです。20世紀末からインターンシップ実現に向けて動き、21世紀に入ってやっと初めての海外インターンシップが実現したという経緯がありました。その歴史を経て、私が活動していた頃には、年間40件ほどの海外インターンシップを毎年実現。中國の大學生と一緒に京都へ旅行し、また経済?政治?文化など幅広い分野について熱く語り合ったものでした。
當時、中國の學生と日本の學生が40名ほど集まって2泊3日語り合うイベントに參加しました。イベントの最後に「それぞれ向かう道は違うけれど、日中友好のために協力し合おう」と40名で誓ったことは強く記憶に殘っています。このような人と人の深い交流は、これからの日本と中國に必要不可欠なものと強く感じました。
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岡田:中國に対して、いま思うことはある?
落合:國レベルで考えると、最近の日本と中國の経済関係は熱いけれども、日本と中國の政治関係はまだまだ冷たいと感じますし、お互いの國に対する嫌悪感情も市民の中に強く殘っていると感じます。実際、中國に行ったことのある日本人は少なく、日本に行ったことのある中國人もまだまだ少ない。その現狀で、靖國神社參拝の問題など、マスコミを通じて嫌悪感情を持ってしまっている人も多くいます。
まずは人レベルでの交流をもっと増やし、お互いの國のことをもっと深く知ることが大切ではないでしょうか。例えば、日本人が萬里の長城など歴史ある史跡の素晴らしさ?中國の人の心の溫かさなどにもっと觸れることができれば、中國をもっと身近に感じられ、大事に思うのではないでしょうか。そのためには、上海萬博をきっかけとして人の交流を行い、経済成長している中國に行って、ビジネスを通じて交流することは大切ではないかと考えています。
また仕事柄、多くの大學生や大學教授と話す機會があり、日本はまだまだ「鎖國」狀態なのではないかと感じます。海外の大學と比べた場合、日本の大學の留學生比率はまだまだ低いと聞いています。
驚異的な経済成長をとげる中國には、非常に優秀な大學生が數多くいます。日本國內の人材育成も非常に重要ですが、同時に、中國から優秀な頭脳を留學生として日本國內へ招致することは重要性を増しているのではないでしょうか。『留學生を「受け入れる」のではなく、「獲得する」という意識にならなければならない』と、ある大學教授に伺いました。まさにその通りだと思います。中國は今後ますます重要な國になりますから、人的な交流をさまざまな分野で広めることが、將來の両國の発展につながるのではないかと感じているのです。
岡田:今度の上海萬博は、アイセックとして行く予定などある?
落合:いえいえ。もう私はOBですから。ただ思うのは、上海萬博が日中友好を実現するための大きな一歩になってほしいですね。両國の大學生同士が交流し語り合う機會、日中間のビジネスマッチングを促進する見本市などの機會がより多く生まれてほしい。その中で、これからの日中関係を進展させる、より多くの具體的な取り組みや成果が生まれるとよいなと思います。學生時代に中國と縁のあった一市民として、上海萬博には注目していますよ。
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※NPO法人アイセック?ジャパンとは
世界107の國と地域にグローバルネットワークを持ち、海外インターンシップ事業を通して、次世代の國際社會を擔う學生が自己の可能性を探求し発展させる場。學生が運営する世界最大規模の非営利組織として、國際社會を舞臺に活躍していく若者の育成に取り組んでいる。
?人民中國インターネット版?より2010年1月5日
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