日本の政局のめまぐるしい変化は、首相交代の速さからも窺える。民主黨は依然與黨だが、すでに執行部は大きく様変わりした。
まず黨代表?首相を見ると、前任の鳩山由紀夫氏は政治家一家の出身だったが、現任の菅直人氏は庶民家庭の出身だ。次に執行部と自民黨との関係を見ると、鳩山前首相と前幹事長は自民黨にいたことがあるが、現任の菅首相と仙谷由人官房長官、枝野幸男幹事長は違う。第3に首相と官房長官との関係を見ると、自民黨政権時代の首相は多くが黨內の同一派閥から官房長官を指名し、意のままに動く伝達役としていた。鳩山內閣もこのしきたりを踏襲した。だが菅首相と仙谷官房長官は異なる派閥に屬す。菅首相は、敢えて意見を言うことのできる人物をこの要職に選んだと明言した。
日本の政局はめまぐるしく変化しているが、政治家に金銭スキャンダルがつきものである點は変わらないようだ。新內閣は8日に発足したが、翌9日には荒井聡國家戦略擔當相が知人宅マンションを自らの政治後援會の事務所として屆け出ていたうえ、過去數年間の虛偽収支報告が6222萬円に上っていたことが報じられた。野黨はただちに強く反応し、荒井氏を直ちに罷免するよう菅首相に次々に要求。首相の責任を追及する考えも示した。10日には、さらに閣僚2人の政治資金問題が報じられた。これを受け、「クリーンな政治」がスローガンの菅內閣と民主黨は直ちに調査を実施。3閣僚は11日、07潤?09年の経費の領収書をそれぞれ公開し、記者會見も開いた。メディアは荒井氏の領収書にマンガの購入費など政治活動と無関係のものがあることを発見。民主黨側は、違法行為は見つかっていないが、もし不適切なものがあれば収支報告を修正すると釈明した。閣僚の政治資金問題は新內閣にとって最初の向かい風となった。
日本の政局はめまぐるしく変化しているが、変化の目的は変わらないこともある。自民黨政権期の福田康夫首相の辭任は、麻生政権に道を開き、首相交代後の內閣支持率上昇の機を利用して総選挙を行うことに本來の目的があった。だが麻生首相は就任後、福田氏の用意した時機を逸し、結局自民黨は政権を失った。鳩山首相が幹事長と協議の上で辭任を表明したのも、後任の首相に道を開き、支持率上昇の機を利用して參議院選挙を行うことが大きな目的の1つだった。菅首相の就任後、內閣支持率はV字回復を遂げた。菅首相と民主黨は國會の會期を延長せず、予定通り7月11日に參議院選挙を行うことを決斷した。殘りの會期が短いため、與黨が參議院で可決する予定だった郵政改革法案は廃案にするほかなかった。連立與黨?國民新黨の黨首である亀井靜香郵政?金融擔當相はこれを不満として12日に辭任を表明。「與黨は自民黨ではなくなったが、『選挙第一主義』は変わってない」と批判した。
6月4日に代表に選出された菅氏の任期は、次回の黨代表選挙が行われる9月30日までの3カ月余りしかない。新內閣の任期の長短は、菅氏が黨代表に再選されるかどうかにかかっている。順調に再選されれば、內閣の顔ぶれも変わらない。黨代表が交代すれば、日本の政界は再びめまぐるしい変化の秋を迎えることになる。
「人民網日本語版」2010年6月17日