工業情報化部がこのところ立體映像(3D)対応テレビに関する基準制定に向け動き出し、各メーカーも積極的に3Dテレビの販売に力を入れているが、それにひきかえ消費者のほうは興味を示しつつも実際の購入には至らないようだ。
國慶節(建國記念日)の大型連休中、北京の家電販売店では液晶テレビの売上が好調だった一方、3Dテレビの人気はいまひとつだった。その理由は価格と3D映像がまだ少ないことにあるようだ。中國の大手家電量販店、國美電器のスタッフによると、3Dテレビの販売臺數は全體の約5%と伸び悩んでいる。大型連休中に人気だったのはLEDテレビだという。
サムスン、LG、ソニー、シャープ、長虹(Changhong)、創維(Skyworth)、海信(Hisense)、TCLなどどのメーカーのブースでも3Dテレビは販売している。10月以降の売上データをみると、今の段階では、価格を気にしない新しいもの好きが3Dテレビの消費者であるため、合弁メーカーの商品が比較的売れている。合弁メーカーでもサムスンなど韓國メーカーの売上が明らかに日本メーカーを上回っている。ソニーやパナソニック、シャープなど日本メーカーも負けじと連休前に3Dテレビを発売したが、出荷臺數が少ない上、國美電器など數店舗でしか販売していない。ソニーなどは3Dの対応に慎重で、まだ量産の段階に入っていない。
3Dテレビの売上はまだ理想的とはいえないが、今後の見通しが暗いというわけでもない。業界関係者によれば、コスト削減、コンテンツの多様化、技術革新にともない、あと數年もすれば3Dテレビの出荷臺數は大幅に増えるだろう。ただ、市場に受け入れられるにはまだ時間がかかりそうだ。
「人民網日本語版」2010年10月19日