日本政府の議題に、皇室関連の問題が1件加わった。藤村修官房長官は6日、2月から「女性宮家」創設の可能性について検討し、「皇室典範」改正案をまとめる方針を示した。皇族、特に男性皇族の減少に対応するためだ。これについて內閣は皇位継承問題とは切り離すと説明しているが、女性天皇実現に向けた地ならしだとして、「男系主義」の伝統を重視する人々から批判にさらされている。伝統的男権思想が支配的地位を占める日本の皇族において男女同権を実現するのは、容易なことではないようだ。
「宮家」とは、天皇以外の各皇族一家の世襲「名號」を指す。現在は天皇の次子?文仁親王の「秋篠宮」、天皇の弟の「常陸宮」、天皇のいとこの「三笠宮」と「桂宮」、すでに亡くなったいとこの「高円宮」の5家ある。皇族法である「皇室典範」に基づき、女性は宮家を継承または創設できない。民間に嫁ぐと、皇族の身分も失う。
日本の皇室はすでに2000年以上続いており、天皇は伝説の神武天皇から現在の明仁天皇まで計100人余りに上る。このうち女性天皇は8人いるが、いずれも男性皇族の子孫で、寡婦または獨身だ。明治維新後、皇室典範によって皇位は皇族內の「男系男子」が継承すると定められた。第二次大戦後、この規定については男女平等の原則に反するとの指摘もあったが、政府は女性天皇の配偶者の身分を定めるのが困難など様々な理由でお茶を濁してきた。
現在、皇族は人數が少ない。天皇の子息2人のうち皇太子は一女、秋篠宮は一男二女を持つ。天皇の弟1人といとこ2人はいずれも高齢なうえ、嗣子がいない。つまり5宮家のうち、男性皇族は6人しかいないのだ。皇太子には娘しかいないため、秋篠宮家に2006年に生まれた悠仁親王が秋篠宮後唯一の皇位継承者となる。悠仁親王の姉2人と、いとこにあたる皇太子の娘が嫁いで皇族の身分を失えば、悠仁親王とその成年後の妻子以外に皇族はいなくなってしまう。
宮家問題は皇位継承と深く関係する。內閣が女性皇族が結婚後も皇族の身分を維持できるよう皇室典範改正の検討に著手したのは、皇室を維持するためだ。だが改革への抵抗は非常に強い。悠仁親王が誕生するまで、皇族には40年以上男子が生まれなかった。皇位継承の潛在的危機を前に、內閣は04年に女性天皇の可否について報告を提出したが、批判の嵐にさらされた。悠仁親王が誕生すると、女性天皇をめぐる議論はうやむやに終った。
だが悠仁親王が誕生しても、男性皇族が少ないという現狀に変りはない。政府が女性宮家創設の考えを示したことが、それを裏付けている。実際には皇室改革は過去にも行われている。皇后美智子、皇太子妃雅子、秋篠宮妃紀子はいずれも民間出身で、その成婚により皇室に新たな血が入っただけでなく、皇室に対する國民の関心や敬愛も深まった。皇室改革は容易なことではないが、日本の皇族の繁栄は日本人に、伝統的観念や歴史を現実的必要や時代の発展と結びつけて考えることを求めてもいる。
「人民網日本語版」2012年1月10日