日本の防衛省はこのほど、中國と臺灣を國家及び政治の実體として並列する報告書を発表し、公然と「一中一臺」をでっち上げ、悪巧みを秘めている。これは安倍政権の中國けん制戦略の、氷山の一角にすぎない。
安倍首相は2012年に再任を果たすと、中國を日本の主な戦略的ライバルとした。中國を警戒しけん制することは、その外交政策と対外安全戦略の主軸になった。中國をけん制する動きが、後を絶たない。2017年になると、米國の政権交代、南中國海の情勢緩和が、安倍首相の中國に対する悪意ある神経を刺激した。こうしてこれまで以上に、中國けん制戦略を強化した。
軍事?安全面では中國を念頭に置き憲法を改正し、軍拡に取り組み、日米同盟を強化しようとしている。公然と中國を仮想敵國とし、軍事的な手配と行動を進め、南中國海に深く介入している。政治面では中國のイメージダウンに力を盡くし、「中國脅威論」のでっち上げを続けている。さらには一部の西側諸國と國連人権委員會で、中國を貶める聲明を発表している。外交面では中國を念頭に置く「地球儀を俯瞰する外交」を続けている。中國けん制を目的とし、新年早々ASEAN3カ國と豪州を訪問し、再び「南中國海のカード」を切るよう働きかけた。安倍首相は2月中旬に訪米したが、この「朝貢の旅」の主な目的は、米國との中國共同けん制だ。また中國への強硬な立場を貫くよう、トランプ大統領に働きかけた。経済面では、中國の市場経済地位を認めず、中國の影響力を弱めようと全力を盡くしている。
安倍首相は中日國交正常化以降の歴代首相のうち、中國への態度が最も強硬な首相だ。手段を選ばず中國を排斥?けん制し、中國にほぼ反対していることには、深い原因と背景がある。
まず民族的なうぬぼれと狹苦しいナショナリズムの思想に支配され、中國の臺頭を受け入れられなくなっている。日本の政治家は一貫して、うぬぼれと狹苦しい民族意識を持っており、「大和民族は優秀」でありその他の民族を指導?支配するのが當然と考えている。日本の右翼?保守派の代表者である安倍首相は、さらにそうだ。安倍首相は過去の大日本帝國の「栄譽」を取り戻すことを自らの責任とし、「アジアを指導する」と再三稱しており、同目標を実現する最大の障害物を中國としている。中國の臺頭により居ても立ってもいられなくなり、手段を選ばず中國をけん制し、その復興を妨げることで、日本の「アジアのリーダー」という地位を取り戻すため地ならしをしている。