韓國の文在寅大統領が17日、1965年の日韓請求権協定では韓國人の個人請求権は消滅していないとの韓國內の司法判斷が韓國政府の立場だと表明した。
韓國が「未解決」と見なす戦後補償に関する問題の対象が拡大する見通しとなった。歴史問題が再び日韓間の最大の懸案になりそうだ。
韓國內では元徴用工らが日本企業に損害賠償の支払いを求めた訴訟で原告勝訴判決が続いている。韓國最高裁は最終判斷を出していないが、文氏の発言で原告勝訴の確定判決が出る公算が高まり、企業側は厳しい立場に追い込まれる可能性がある。
韓國政府は2005年、従軍慰安婦と在韓被爆者らは協定の対象外だと主張する一方で、協定で日本から韓國に支払われた3億ドルの無償資金は「強制動員の被害補償問題を解決する(性格の)資金」だと指摘し、元徴用工らへの日本政府による補償措置は解決済みとの立場を示していた。
元徴用工の三菱重工などへの賠償請求について、韓國最高裁判所は2012年に「日本の國家権力が參與した非人道的な違法行為、植民地支配と直接関連する違法行為」により生まれた賠償請求権は協定によって失われていないと判斷し、原告敗訴とした二審判決を取り下げ、高等裁判所に再審査を求めた。
その後、同訴訟を含む12件において、地方裁判所と高等裁判所は原告側勝訴の判決を相次いで下したが、最高裁判所は最終判斷を出していない。
三菱重工を相手取った訴訟で、原告側の弁護士団の一員であった文氏は17日、政府の立場は最高裁の判斷を尊重すると表明し、2005年の政府見解を覆した。韓國外交部の報道官は17日、政府見解に変化はあるかという質問に対して、「大統領の発言に補足しない」と述べた。これは政府內で方針変更の意見が統一されていないことを浮き彫りにした。
「中國網日本語版(チャイナネット)」2017年8月18日