米ホワイトハウスが発表した情報によると、トランプ大統領は16日に議會に向け、數週間內に日本と貿易協定を締結する意向を伝えた。米日は関稅のほか、デジタル貿易の「行政協定」についても署名する予定だ。
このサービス業及び多くの製造業の製品を含まない即席の協定は、理想的な二國間貿易交渉の成果とは言えない。言い換えるならば、日米首脳は民意に迎合し、膠著狀態を打破し各自の需要を満たすため、実用主義的に「早送り」を押したと言える。しかしこれに伴うデジタル貿易の行政協定は期せずして、日米両國の重大な戦略方針を示した。つまり、デジタル貿易は未來の貨物?サービス貿易以外の競爭領域になるということだ。デジタル貿易ルールを制定し、基準を推進する権利を把握した者が、未來のAIや情報技術などを主導し飛躍する権利を手にすることになる。
デジタル貿易ルールをめぐり日米が急ピッチで進める協議、及び協力強化の裏側にはどのような戦略的な考えが隠されているのだろうか。その他の発展途上國に影響を及ぼすことはあるだろうか。筆者は、次の3つの目的が日米を結びつけると考えている。
(一)デジタル貿易及びデジタル製品の立法を推進し、ルール制定と基準輸出を把握し、新ルールの発言権を手にし、新たな法規の制定権を把握する。新業態の競爭力を求め、デジタル競爭による新たな実力を形成する。
(二)アジアのIT産業における総合力を強化する。日米両國はIT技術の発祥地?伝播者で、関連デジタル産業及びデジタル貿易のバリューチェーンの川上を占めており、かつIT産業國際化の最大の受益者となっている。デジタル貿易の非対稱ルールにより、グーグル、フェイスブック、アップル、アマゾンが快進撃を続けている。日本もデータの自由で安全な流動により、自國の競爭力をさらに強化するスペースを作ろうとしている。同時に米國との連動により、EU及びWTO枠組みとのデジタル貿易多國間協力を拡大しようとしている。つまり米日はデジタル貿易の最終目標を、世界最大のネットユーザー數とデジタル貿易の潛在力を持つアジアに設定していることになる。
(三)ルール制定により競爭相手の臺頭をけん制する。國際的な経済の駆け引きの歴史は、業界のルールと業態の基準が経済貿易界で守るべきビジネスの法則であり、國の駆け引きの目に見える延長であることを証明している。フランスがデジタル貿易からデジタルサービス料を徴収することを求め、アジアの一部の國が音楽?映像などのデジタル製品に課稅することを主張するなか、日米はデジタル貿易のルール制定で機先を制することで、自國の企業の競爭力と訴求を最大限に考慮している。ところがIT新興國の発展段階と現在の水準については無視している。保護貿易主義の影がつきまとうなか、デジタル貿易で國の扉を開く。一部の新興國のIT企業は厳しいルール、技術獨占、発言権の不足に直面する。
我々は日米が多國間體制の維持に有利な全面的な貿易協定を締結し、世界のデジタル貿易及びデジタル経済の発展に向けより開放的なシグナルを発することを願う。こうすることでデジタル貿易の協力は日米の小グループのみに限られず、世界の國民生活に幸福をもたらす新たな方針を示すことができる。(筆者?笪志剛 黒竜江省社會科學院北東アジア研究所所長、研究員)
?中國網日本語版(チャイナネット)? 2019年10月6日