米海軍の遠征洋上基地と呼ばれる艦船「ミゲルキース」がこのほど、日本の佐世保港に到著した。同艦の西太平洋配備は就役後初。同艦はF-35B戦闘機を搭載でき、その日本配備は主に中國への対応が目的と分析されている。しかし中國の専門家は、「同艦はF-35Bの作戦に使いにくく、主な用途は支援保障だ。しかも自衛能力が劣り、高強度の衝突における生存能力は限定的だ」との見方を示した。
ミゲルキースは今年5月に就役した、米海軍が配備する3隻の遠征洋上基地艦の一つだ。全長は約240メートル、排水量は9萬トン、最高航行速度は15ノット、最大航続距離は1萬7000キロ以上。ヘリの離著陸基地として使用でき、軍事行動を後方支援できる。
この巨艦が注目を浴びるのは今回が初めてではない。同艦が就役したばかりの頃から、専門家は西太平洋への配備を意識していた。また同艦はF-35B戦闘機を搭載でき、1隻の空母もしくは強襲揚陸艦に相當するとの分析もある。
実際には、同艦からF-35B戦闘機の発著艦が困難であることは、その外観からも判斷しやすい。軍事専門家の張學峰氏は「環球時報」に次のように述べた。
F-35Bは短距離発艦、垂直著艦という方法によって艦上で扱う。主に短距離発艦により一定距離を滑走し加速し、翼の浮力を利用し発艦することで、多くの燃料と弾薬を搭載する。英國の空母はさらにスキージャンプ式の滑走路を使い、F-35Bの発艦効率をさらに高めている。
遠征洋上基地は直通式の甲板を採用しておらず、甲板の前後が建築物によって遮られており、F-35Bの滑走発艦をサポートできない。垂直発艦するならば、離陸重量の制限を受けるため、この戦闘機は実際の作戦の意義をほぼ持たない。同時に同艦の甲板は耐熱処理が施されておらず、F-35Bのアフターバーナーの高溫融蝕に耐え難く、垂直著艦もサポートできない。米國がこの軍艦を設計した際にF-35Bの搭載を検討していなかったため、誘導通信システムや著艦補助システムなどが搭載されていない。そのため現在の狀態であれば、この基地艦はF-35Bの発著艦がほぼ不可能だ。深刻な脅威にさらされ、強敵との間に高強度の衝突が生じれば、その生存能力は非常に限定的だ。當然ながら補助的な任務を遂行させ、強襲揚陸艦や空母と艦隊を組めば余裕ができ、強敵に対処できる。
?中國網日本語版(チャイナネット)?2021年10月13日