木村知義＝文

先月號(hào)で、何もかもが米國(guó)による「対中國(guó)抑止」あるいは「中國(guó)封じ込め」という文脈で動(dòng)いていて、相當(dāng)長(zhǎng)い間こうした狀況と向き合わなければならないだろうと述べ、この狀況を乗り越えていくために「21世紀(jì)のバンドン會(huì)議」をという問(wèn)題提起をしました。 

今號(hào)では、この問(wèn)題意識(shí)を引き継いで、なぜこの問(wèn)題提起を中國(guó)との関係で発想するのかを述べてみたいと考えます。 

３月10日、王毅中央外事活動(dòng)委員會(huì)主任（中央）、サウジアラビアのアイバーン國(guó)務(wù)相兼國(guó)家安全保障顧問(wèn)（左）、イランのシャムハニ最高安全保障委員會(huì)事務(wù)局長(zhǎng)（右）は、署名した共同聲明を発表し、サウジアラビアとイランの外交再開(kāi)が合意に至ったことを宣言。三者が共に國(guó)際関係の規(guī)範(fàn)を維持し、世界と地域の平和と安全保障の促進(jìn)に努めることを強(qiáng)調(diào)した（cnsphoto）

中國(guó)が世界に提起する「公共財(cái)」 

結(jié)論から先に言えば、世界の平和と発展に向けて、中國(guó)は、世界の「公共財(cái)」というべき「構(gòu)想」「イニシアチブ」を提起し、その実現(xiàn)のために著々と動(dòng)いているからです。この積み重ねによって、かつて中國(guó)が「第１回アジア?アフリカ會(huì)議」（バンドン會(huì)議１９５５年）において重要な役割を果たし「非同盟諸國(guó)」の連帯を生み出すことで戦後世界の新たなありようを開(kāi)いたように、21世紀(jì)の世界においても、世界が最も渇望する平和と発展をけん引することが期待できるからです。 

まず、問(wèn)題を考える上で忘れてはならない最近の「動(dòng)き」を挙げてみます。 

?「ウクライナ危機(jī)の政治的解決に関する中國(guó)の立場(chǎng)」を発表して、ウクライナにおける停戦と和平への道を指し示すとともに、習(xí)近平主席がゼレンスキー大統(tǒng)領(lǐng)と電話會(huì)談を行うなど、ウクライナの平和を回復(fù)するために役割を果たすことを鮮明にした。 

?中國(guó)の仲介によってサウジアラビアとイランの歴史的和解が実現(xiàn)。メディアや國(guó)際問(wèn)題?地域研究の専門(mén)家たちがこぞって「衝撃」だと聲を上げた。さらに、イスラエルとパレスチナの和平に動(dòng)く可能性が伝えられ、アラブ世界において中國(guó)の存在が一層大きくなっている。 

?ブラジルのルラ大統(tǒng)領(lǐng)が中國(guó)を訪問(wèn)、習(xí)近平主席と會(huì)談して「一帯一路」共同建設(shè)はじめ中國(guó)とブラジルの戦略的パートナーシップを深め発展させることを世界に示した。 

?ＮＡＴＯの構(gòu)成國(guó)フランスのマクロン大統(tǒng)領(lǐng)が訪中して習(xí)近平主席と會(huì)談、「一つの中國(guó)」政策を尊重するとともに世界の平和と安定の実現(xiàn)に努力することを確認(rèn)。その後、オランダ訪問(wèn)における會(huì)見(jiàn)で「（米國(guó)の）同盟國(guó)であることは下僕になることではない。自分たち自身で考える権利がないということにはならない」と語(yǔ)る（ＢＢＣ４月13日）。 

このように、世界は、米國(guó)およびその同盟國(guó)あるいは「Ｇ７」という「主要國(guó)」の枠組みで動(dòng)いているのではないということ、中國(guó)の存在が日増しに重くなっていることが見(jiàn)えてきて、世界に大きな「地殻変動(dòng)」が起きていることを知ることになっています。そこで、世界の新たなありように向けての「動(dòng)き」に際して、中國(guó)が提供する三つの「公共財(cái)」について考えてみます。 

「一帯一路」の発展、深化 

まず「一帯一路」イニシアチブです。提唱から10年となりました。殘念ながら日本のメディアではこの10年の進(jìn)展の全體像が分かりません。むしろ否定的な論調(diào)で伝えられることばかりが多くなっています。そこで、第14期全國(guó)人民代表大會(huì)第１回會(huì)議で採(cǎi)択、承認(rèn)された「２０２２年度國(guó)民経済?社會(huì)発展計(jì)畫(huà)の執(zhí)行狀況と２０２３年度計(jì)畫(huà)に関する報(bào)告」（新華社配信）を読んでみました。 

そこでは昨年末時(shí)點(diǎn)で１５０カ國(guó)と32の國(guó)際組織と２００余りの協(xié)力文書(shū)に調(diào)印したことが報(bào)告されています。中國(guó)と歐州を結(jié)ぶ國(guó)際定期貨物列車(chē)「中歐班列」は累計(jì)６萬(wàn)５０００本以上が運(yùn)行され、標(biāo)準(zhǔn)コンテナ６００萬(wàn)個(gè)を超える貨物が歐州25カ國(guó)の２００余りの都市に屆けられたとされています。 

一方、今年度の「計(jì)畫(huà)」では、「シルクロードＥコマース」協(xié)力先行區(qū)を新たに設(shè)立し、福建省と新疆ウイグル自治區(qū)の「一帯一路」核心區(qū)の質(zhì)の高い発展を推し進(jìn)め、辺境地區(qū)の重點(diǎn)開(kāi)発開(kāi)放実験區(qū)の建設(shè)を推進(jìn)することや「シルクロード海運(yùn)」などのブランドの影響力を拡大し「空のシルクロード」建設(shè)の推進(jìn)を掲げています。加えて第３回「一帯一路」國(guó)際協(xié)力サミットフォーラムの準(zhǔn)備を進(jìn)め、海外への発信を強(qiáng)化して「一帯一路」共同建設(shè)の物語(yǔ)をしっかりと伝えることも打ち出しています。 

こうした中、武漢市を発著する「中歐班列」に新たな路線が加わったというニュースを目にして驚きました。ドイツのデュイスブルクで積み込まれた貨物が新疆ウイグル自治區(qū)の阿拉山口から中國(guó)に入り武漢に到著した後、國(guó)內(nèi)の鉄道に積み替えられて浙江省の寧波へ、海運(yùn)で臺(tái)灣の基隆まで運(yùn)ばれたというのです（ＣＲＩ４月20日）。「一帯一路」は臺(tái)灣まで包み込んで広く、大きく躍動(dòng)しているというわけです。「一帯一路」が地球規(guī)模で國(guó)や地域のありようを大きく変えていくことになると、改めて強(qiáng)く認(rèn)識(shí)させられます。 

同盟によらない「伙伴関係」 

中國(guó)が世界に寄與する公共財(cái)のもう一つは、國(guó)と國(guó)の関係を発展させていく上で重要な「ツール」となる「伙伴関係」です。一般的に「パートナーシップ」という言葉で語(yǔ)られますが、「伙伴関係」は米歐における「パートナーシップ」とは大きく異なります。「伙伴関係」は同盟関係によらないというところです。首脳間の信頼関係を礎(chǔ)にして築かれる「パートナーシップ」であり、しかも相互の必要性に応じて関係が可変的に動(dòng)く融通無(wú)礙な弾力を持っていることです。 

これからの世界の姿を構(gòu)想するとき、「上下関係」ではなく水平的な関係を目指すことが大事になりますが、「伙伴関係」はまさにそうした考えを體現(xiàn)する「パートナーシップ」です。排他的で時(shí)には他國(guó)を敵視する分?jǐn)啶葘澚ⅰ⒖範(fàn)帳蛏叱訾姑讱Wなどの同盟関係とは一線を畫(huà)する「伙伴関係」こそ、これからの時(shí)代の多國(guó)間主義を?qū)g踐する力を秘めていると言えます。 

指し示す「未來(lái)への選択」 

そして「人類(lèi)運(yùn)命共同體」です。これからの世界のあり方の土臺(tái)＝基礎(chǔ)となる思想、哲學(xué)として、さらには、そこからさまざまな政策が導(dǎo)き出される、いわば新たな世界像の全ての源泉となるものです。 

気候変動(dòng)、環(huán)境破壊、資源、食料問(wèn)題などはもはや地球上の誰(shuí)にとっても無(wú)関係ではない人類(lèi)全體の深刻な課題として向き合わなければなりません。どうすれば平和な世界を創(chuàng)り出せるのかという安全保障に関わる課題、地球の全ての人々がどうすれば分け隔てなく豊かな暮らしを目指すことができるのかという命題への手掛かりが「人類(lèi)運(yùn)命共同體」に凝縮されています。 

また、「中國(guó)式現(xiàn)代化」はじめ、いま中國(guó)が世界に向けて発するメッセージは、ひとり中國(guó)にとどまらず、地球に暮らす全ての人々の共通利益に深く関わる、まさに地球儀を俯瞰する大局から、私たちの進(jìn)むべき道を示唆していると言えます。 

さらに、２年前に提起された「グローバル発展イニシアチブ」、昨年の「グローバル安全保障イニシアチブ」、今年になって提起された「グローバル文明イニシアチブ」が、それぞれ分野?位相を異にしながら、同時(shí)に、有機(jī)的に交差して、これからの新たな世界像について示唆深く語(yǔ)り掛けていることも忘れてはならないでしょう。 

このように、中國(guó)は休むことなく理念と政策を提起して、われわれの「未來(lái)への選択」について行くべき道を指し示しています。こうした視角から中國(guó)を見(jiàn)つめてみると、さらに奧深い中國(guó)が見(jiàn)えてくると思うのです。 

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