相撲という日本の伝統的なスポーツが危機に立たされている。尊富士(本名は石岡彌輝也)が110年ぶりの新入幕優勝を果たした。春場所後、日本のスポーツ紙はトップ記事で、相撲の明るい未來を思い描いた。ところがより多くの相撲ファンは悲観的だ。古くから日本の生活の一部であった相撲が存続の危機を迎えているというのだ。90年代に活躍した舞の海秀平氏は、「尊富士の優勝は一時的な盛り上がりで、一過性だ。相撲は50年後に消滅するだろう」と率直に述べた。6日付英紙「タイムズ」が伝えた。
日本相撲協會は先週、宮城野部屋を閉鎖した。同部屋所屬の北青鵬(22)が弟子2人に暴力を振るったのだ。これは日本の相撲界で最も深刻なスキャンダルなどではない。相撲界はすでに「男子の美徳の象徴」から「悪といじめの巣窟」になっている。モンゴル出身の橫綱朝青龍は2010年に、飲食店で男性を毆ったとして引退を余儀なくされた。別のモンゴル出身の日馬富士は2017年に別の力士に暴行し、頭を骨折させ相撲界を後にした。
相撲の人気も下がっている。90年代であれば人気橫綱の取り組みは視聴率が65%にのぼることもあった。今年の尊富士による奇跡的な快挙でも視聴率は16%のみだった。相撲の人気低下に伴い、日本の男子は相撲に勵まなくなった。「FRIDAYデジタル」によると、相撲の新弟子が大幅に減少し、2023年は53人のみだった。
多くの若者にとって、辛く苦しい相撲に魅力はなくなったと分析されている。また力士の収入も少なく、天皇杯及び敢闘賞、技能賞、殊勲賞で尊富士が獲得した賞金は8萬6000ポンドだが、ビリヤードの世界スヌーカー選手権の賞金は50萬ポンドだ。さらに重要なことは、日本の人口構造の変化だ。舞の海秀平氏は、「相撲の問題は、出生率の低下により外國人労働者を受け入れるべきかという、この國が直面している問題と同じだ」と述べた。
「中國網日本語版(チャイナネット)」2024年4月8日