米航空宇宙局(NASA)はこのほど、2020年度大統領予算案を公表した。総額210億1900ドルの予算の約半分を月および深宇宙での探査活動への宇宙飛行士輸送にあてる。
米國だけでなく、ここ數年、多くの國が新しい月探査計畫を打ち出し、月が再び人類の追求対象になっている。各國は自國の宇宙飛行士を月に輸送し國旗を立てるだけでなく、月面基地を建設し長期滯在することも計畫している。各國の月面著陸計畫の中でも米國は最も早く、2028年までの月面著陸を計畫。ロシアは2025年~2035年を計畫している。先日開かれた全國両會で、中國月探査プロジェクト総設計士の呉偉仁氏は、今後10年前後で中國人も月に上陸すると話した。
月面基地の最もふさわしい建設場所は?
月の南極は年間180日連続して日光があたり、科學研究者と設備が作業し続けるのにふさわしい。
數十年にわたる月探査研究によると、月には人類の開発に適した恵まれた自然資源が多くあり、100種類以上ある鉱物のうち5種類が地球に存在しない。宇宙専門家の龐之浩氏によると、月には大量のヘリウム3があり、地球にごくわずかしかないこの物質は核融合爐の高効率燃料で、人類に便利で無毒、無放射性のエネルギーを提供する。
また、月の引力は地球のわずか6分の1で、宇宙船が離陸しやすい。月の水氷は抽出、分解し、宇宙飛行士に必要な空気や深宇宙を飛行する宇宙船の燃料として利用できる。これらの條件は、月を深宇宙探査基地または中継所にするメリットとなる。
月面基地を利用し、宇宙飛行士やロボットは月の土壌に含まれるアルミ、鉄、珪素を採取し、建材を直接生産して建物を建設できる。
月面基地の建設場所について、龐之浩氏は以下の3點を考慮すべきだとした。1つ目は、地球と通信しやすい月の表面。2つ目は、月面の比較的平坦で、宇宙船が著陸しやすい場所。3つ目は、資源基地を建設する場合は、月面の鉱物資源が豊富な場所を選ぶ。
月面基地の建設場所は、日光が充分にあたり、水が豊富にあるという2つの基本的條件を満たしていなければいけない。龐之浩氏は、「現狀で言うと、月の両極に基地を建設するのがよい。平坦な地勢は探査機が離著陸しやすく、一部のエリアは日光がほぼ永久的にあたるが、日光のあたらない場所には水氷がある」と述べた。月の両極には極晝と極夜の現象があり、南極は年間180日連続して日光があたる。これは科學研究所の建設に有利で、科學研究者と設備が作業し続けるのにふさわしい。各國の月面上陸計畫の多くが南極を候補地にしている。
「中國網日本語版(チャイナネット)」2019年3月27日