米航空宇宙局(NASA)は21日、火星探査車「Perseverance」(パーセベランス)が火星で初めて大気中の二酸化炭素を利用して酸素を生成したと発表した。地球以外の惑星で酸素を生成したのは人類初となる。
NASAの聲明によると、酸素生成任務は「Perseverance」に搭載されている酸素生成実験裝置「MOXIE」で実施。任務は火星著陸後60日目の火星日(米東部時間4月20日)に初めて行われ、火星の大気中にある二酸化炭素から酸素原子を分離し、約5グラムの酸素を生成した。宇宙飛行士が10分前後で吸引する酸素量に相當する。酸素生成過程で発生した一酸化炭素は火星の大気に放出された。
NASA宇宙技術ミッション局(STMD)の責任者のジム?ルーター氏は、火星で二酸化炭素を酸素に転換する重要な一歩だと話した。
NASAによると、火星の大気中の二酸化炭素含有量は約96%である?!窶OXIE」は小型の実験裝置で、より大型で効率的な酸素生成器の研究開発を促すだけでなく、今後の宇宙飛行士の火星での酸素供給問題の解決にもつながり、人類が火星から地球に戻る際に使用するロケットに酸素燃料も提供できるようになることが期待される。
「MOXIE」は米マサチューセッツ工科大學が設計し、直方體で金色、自動車のバッテリーほどの大きさで、火星探査車內部の右前方に設置されている。酸素生成には約800度の高い溫度が必要で、「MOXIE」は耐熱材で作られ、3D印刷、気體の加熱?冷卻が可能なニッケル合金および保溫を促す軽質エアロゲルを使用している。外側に薄い金のコーティングを施し、放出されるエネルギーで「Perseverance」のその他の部品が傷つかないようにしている。
聲明によると、この裝置は火星年(地球時間の約2年に相當)に少なくとも9回の酸素生成活動を実施する。設計生成能力は1時間あたり最大10グラム。
AFP通信はマサチューセッツ工科大學の技術者のマイケル?ヘクト氏の言葉を引用し、この裝置が重さ1トンに改造されれば、約25トンの酸素を生成し、ロケットを火星から離陸させることができると伝えた。NASAのサイトによると、將來、4人の宇宙飛行士が火星で1年間の任務と生活をする場合、1トンの酸素が必要になる可能性がある。
「Perseverance」は昨年7月30日に打ち上げられ、今年2月18日に火星に上陸した。大昔に火星に存在した可能性がある生命の形跡、火星の地質と気候の特徴などの探査任務を行い、將來的な人類の火星探査と上陸の道を探る。
火星探査車に搭載されている無人ヘリコプター「Ingenuity」は4月19日に火星で初めて飛行し、3メートル上昇し、30秒空中靜止した。人工航空機が別の惑星で飛行したのは初めてとなる。
?中國網日本語版(チャイナネット)?2021年4月23日