英誌「エコノミスト」はこのほど、中國の教育「輸出」に関する記事を掲載した。タイトルは「中國も教育の輸出を検討」。この「も(too)」は非常に人目を引き、興味深い。
記事によると、中國の私立校を経営する教育グループは國內市場の競爭が激しいことから海外、特にアジア諸國での投資を日増しに拡大しているという。中國の多くの學校のターゲットは主に現地で働き生活する中國人の家庭だが、現地の生徒も多く集めているという。筆者は、中國政府のインターナショナルスクール建設推進には(1)海外華人にサービスを提供(2)中國の世界的な影響力を高めるソフトパワーを構築――という目標があるとし、さらに中國の教育グループが不公平な競爭を行う可能性をほのめかした。タイトルの「も」は、これまでインターナショナルスクールの多くが西側によって経営されてきたが、現在は中國人の出番になったことを暗示している。
かつて西側によって植民地支配された國では今も、宗主國が作った學校が多い。これらの學校の多くが教會の「看板」を掲げている。さらに米國、フランス、英國などの西側諸國の教育企業が過去數十年に渡り世界各地で開設したインターナショナルスクールについては數えきれないほどで、中國にも類似する機関がある。ところが中國の教育グループがインターナショナルスクール建設の仲間入りを果たすと狀況が変化したようで、焦りを覚える人も出ている。西側の考え方と論理によると、中國の行動はイデオロギー関連のソフトパワーの輸出で、注意すべきだというのだ。
これに驚くことはあるだろうか。中國には世界が広く認める優れた基礎教育體制があり、國際教育分野、特に発展途上國の教育水準の向上に向け力を発揮してはならない理由があろうか。
中國の教育體制(特に「高考」)は中國の発展モデルにおける重要部分だ。この體制は改革開放後、中國の若者が「知識は運命を変える」という人生観を実踐するため豊富なチャンスを提供した。この體制にはまだ改善が必要ではあるが、現在の國情では最も公平で最も魅力的な選抜制度で、世界で高評価を得ている。
中國の基礎教育は著実かつ穏健で、時代と共に進み、輸出の実力を蓄積した。中國の教育の「輸出」は、西側のインターナショナルスクールと競爭するのではない。新たな學習方法、公平な競爭モデル、學習に勵む精神の育成を通じ、より多くの國の學齢児童に教育により運命を変える別の選択肢を提供する。
西側の一部の人物は、中國がこの機を利用しソフトパワーを輸出することを懸念しているが、これは実質的には西側文明の優越感と中國への隔たりによるものだ。ところが今日の世界は500年前に始まった西側の拡張(思想、宗教、教育などの拡張を含む)とはまったく異なる。世界の多極化の流れにおいて、世界の生徒により多元的な教育の選択肢を提供することは、世界の教育構造を豊富にし、世界の活力と彩りを増やす。(筆者=丁剛?人民日報高級記者)
?中國網日本語版(チャイナネット)?2024年6月26日