今年、中華人民共和國共和國は成立60周年を迎える。この60年間、各界の人々が國の建設に力を注いできた。その中から時代の模範といっても過言ではない代表を10人選んだ。年代も立場も異なる彼らには共通點がみられる。彼らは各自の持ち場において突出した貢獻を果したほか、道徳的な模範となり、それぞれの年代において社會の風潮をリードしてきた。ここで、庶民の英雄に敬意を表するとともに、彼らの物語の中から時代の軌跡や60年間にわたる中國社會の主流の価値観をのぞいてみたいと思う。

　雷鋒、1940年、湖南省長沙市望城県の簡家塘にある貧しい農家に生まれる。1960年1月に入隊。入隊3年で2等1回、3等3回の功績を立て、平凡な持ち場にあって非凡な業績をあげる。部隊は彼を自動車兵に配置、操縦技術の研究に力を注ぎ、類稀な自動車操縦士となる。班長に就任後は大膽な管理によって模範的リーダーを務め、班を部隊の中の先進チームに導く。彼は集団を愛し、戦友や民衆に関心を注ぎ、「自己の利益を顧みず、人のために盡くす」ことを人生最大の幸福と快楽とし、自らが先陣を切ってそれを真剣に実踐した。また食事を節約して貯めた貯金を被災者に寄付したり、経済的に困難な戦友にわけあたえた。かつて學外指導員を擔當した際には自ら模範となる行動を示し、少年たちの健全な成長に影響を與えた。彼は謙虛で慎み深く、慢心がなく、稱賛を受けても奢らず、いい事をしても名前を告げることはなかった。1962年8月15日、輸送任務を執行中に殉職。享年22歳。

　彼の模範的な実績と高尚な思想は軍の內外に大きな影響を與えた。國防部は彼が生前所屬した班を「雷鋒班」と命名。1963年3月5日、毛沢東が「雷鋒同志に學べ」というスローガンを発する。毎年3月5日は全國民が雷鋒に學ぶ日となり、雷鋒はその後40年以上にわたり人助けの代名詞となった。
　 ?人民網日本語版?2009年9月14日