「女書」とは、女性のみが使用?伝承する世界唯一の文字である。中國南部の湖南省江永県に端を発することから、別名「江永女書」とも呼ばれている。古い伝統を持つこの神秘的な文字をコンピューターに入力することがこのほどついに可能となった。中南民族大學科研チームのメンバー?朱宗暁博士によると、彼らが開発した入力方法を応用した出版物も刊行されたという。
中國の特別な女性専用文字である「女書」は長い間、女性だけの手で広く伝えられてきた。
中南民族大學の謝志民教授は數十年前、湖南省の少數民族の村唯一の「女書」継承者である高さんという老婦人に武漢まで來てもらい、「女書」を書いてもらった。その後、謝教授は、各文字を複寫し、1つずつ紙に貼り、「女書」のテキストを組成した。科學技術の進歩に伴い、中南民族大學は「少數民族文字信息(情報)処理研究室」を設立、博士や修士で構成された研究者らが同研究室に集められた。朱博士によると、謝教授のあまりにも大変な文字貼付作業を目の當たりにした彼らは、コンピューターによる文字入力ができる入力法の開発を決めたという。數年間にわたる努力が実を結び、彼らはついに「女書」のフォントデータ開発に成功し、コンピュータに「女書」を入力することも可能となった。謝教授は今年3月、「中國女字字典」を出版、その前書き部分の文字入力ははコンピュータで行われた。
朱博士によると、中國の少數民族の典籍(古い時代に書かれた貴重な書籍)は極めて數多いにもかかわらず、少數民族文字の大部分はコンピューターへの入力手段がない。関連統計データによると、イ族の文字だけでも、手作業で整理した場合、100年間という膨大な時間を要する。南西民族大學では、職員が少數民族文字の典籍1-2巻を整理するのに1年かかる一方、同學が所有している典籍は約3千巻に及ぶ。
中南民族大學の「少數民族文字信息(情報)処理研究室」は現在、その他少數民族文字の情報処理研究に力を注いでいる。朱博士は、自分達が多くの少數民族文字の入力方法を軒並み開発し、中國少數民族の「四庫全書(経?史?子?集の四部分類により編纂された中國最大の漢籍叢書)」を完成する日も遠くないと意気込みを示している。(編集KM)
「人民網日本語版」2009年9月24日