ハ陽湖の湖口區間で船上から湖面を見守るスナメリ協力パトロール隊の周軍キ隊長(5月5日撮影)。
周軍キ(王偏に「其」)氏は毎朝5時すぎに起床する。漁政部門の元職員で退職して何年にもなる周氏の朝練の項目はほかの老人とはちょっと違う。30キロ余りも車を走らせ、ハ陽湖の湖口區間の水域に著くと、スナメリの協力パトロール隊隊員とともに船に乗り込み、水域をパトロールし、違法な漁具は押収し、ここに住む100頭余りのスナメリの食物を確保し、彼らの生存環境を守っている。
パトロール隊のうち、隊長の周氏が漁政部門の元取締員であるほかは、ほかの隊員はいずれも現地の漁民だ。「われわれが昔、ハ陽湖で漁をしていた頃は、ヨウスコウカワイルカ、スナメリ、ハシナガチョウザメがよく見られたものだが、現在はますます少なくなっている。魚がいなくなり、スナメリがいなくなれば、この湖もなくなったようなものだ。われわれがパトロール隊に入ったのは、長江沿いのこの湖を守りたいからだ」と楊新華隊員は語る。
周隊長と隊員らは、スナメリのボディガードになり、毎日湖をパトロールし、多數の針を使ったわなやえびかご、「迷魂陣」と呼ばれる大型漁網などの違法な漁具を押収し、湖に住むスナメリの狀態を観察する。「採捕禁止期間はスナメリの繁殖季にあたる。魚やエビなどの食物が湖に十分あることはスナメリにとってきわめて重要となる」と周隊長は語る。パトロールの仕事は辛く、湖面に大きな波が生じることもあるが、隊員らは船上で頑張っている。「スナメリが水面に躍り出るのが見られるなら、どんな苦しみもいとわない」と周隊長は笑って語った。