國務院の部門立法はもっとも中國の特色のある立法現象であり、同じ國家機関の所屬部門の集団的立法として存在している立法である。國務院には數十の部?委員會と所屬機構があり、國務院の部門立法は數十の立法主體の立法の総稱である。これらの立法は同じ効力を持っている。中央立法の構成部分であるが、その従屬性と制限性は中國立法システムでやはり顕著なものである。多種多様の中央立法システムの中で、もっともグレードの低い立法である。國務院の部門規則と所屬機構の規則が不適切な場合、國務院には改正と廃棄する権限がある。國務院の數十の部門の立法を総括して見れば、その調整できる範囲は非常に広い。一方國務院の部門立法の調整範囲は非常に具體的である。
國務院の部門の立法権は主に國務院の所屬部門に行政法規を制定する権限がある面を表わす。憲法第90條が國務院の各部?委員會が法律と國務院の行政法規、決定、命令に基づいて本部門の権限內で、命令、指示、規則を公布することを規定している。立法法はさらにこの規定を発展させ、公布を制定に変えた。部?委員會を各部?委員會、中國人民銀行、會計検査署と行政管理の職能のある所屬機構へと広げた。立法法には國務院のこれらの部門は法律と國務院の行政法規、決定、命令に基づいて本部門の権限內で規則を制定することを明確に規定している。部門規則が規定した事項は法律や國務院の行政法規、決定、命令を執行する事項に屬すべきである。立法法には二つ以上の國務院の部門の職権範囲に及ぶ事項は國務院に行政法規を制定してもらい、あるいは國務院の関連部門が共同で規則を制定すると規定している。立法の理論と実踐から見れば、國務院の部門立法はその性質から見て、行政立法に屬し、その內容は行政管理の範囲を超えるものであってはならない。
立法法には國務院の部門規則と地方的法規とは同じ事項についての規則が異なり、いかに適用するかを明確にしていない場合、國務院に意見を提出させ、地方的法規が適切と見られたら、當該地方で地方的法規を適用する規則を決定すべきである。部門の規則が適切と見られた場合、全人代常務委員會によって裁決されるべきである。各部門の規則、各部門の規則と地方の政府規則には同じ効力がある。同一事項に対する規定が一致しない場合、國務院によって裁決されると規定している。立法法が確定したこの制度の特徴は部門規則と地方的規則、地方の政府規則の効力グレードとその関係を、法律のよりどころがあると同時にオープンな柔軟性のある狀態に置く。これは効果的かつ有益なことである。
憲法には國務院の部?委員會以外の所屬部門が規則を制定する権限があることを規定していないが、立法法にはこれらの部門は規則を制定することができると規定しており、憲法との規定が一致していない。この現狀は少なくとも、國務院の部?委員會規則と國務院の他の規則に違いがあることを表わしている。國務院の部?委員會規則は憲法と立法法の二重の授権によって制定されたものである。國務院のその他の部門規則はただ立法法の授権によって制定されたものである。法的表現形態から言えば、行政規則の範疇に屬するにちがいない。
國務院の部門立法は中國立法システムの中の特殊な立法であり、國務院部門は首長責任制を実行している。その立法はその他のもろもろの立法と異なるものである。國務院の部門立法は立法の一種の形として立法の一般的要求に従って行われる。なによりもまずかなり健全な立法制度が必要である。
現行の憲法と立法法には國務院の部門立法権の帰屬、立法範囲、規則の制定手続きに関するマクロの規定がある。したがって、引き続き努力すれば、このマクロの規定を具體化し、國務院の各部門の立法範囲、規則の制定手続きおよび各部門間の立法の範囲をはっきりさせ、國務院の各部門を立法の主體として必要なさまざまな関連制度をできるだけはやく充実させ、健全化させることができる。これらの作業は2001年に國務院が公布した『規則制定手続き條例』で相當進められていた。