中國の立法は20年間の挫折を経て、ようやく転換を迎えることになった。転換の內(nèi)在的要因として文化大革命の10年間の動亂がもたらしたのは、人々が法治を求める気持ちであった。直接の要因は中國共産黨11期第3回全體會議の決定である。1978年末に開かれたこの會議は歴史の経験や教訓(xùn)を吸収し、社會主義民主を発揚(yáng)し、社會主義の法制を強(qiáng)化することを日程にのせた。これによって中國の立法は新たな一ページを開くことになり、新しい歴史的段階に入った。
まずは、立法権限システムの健全化である。1979年の地方組織法は中國立法システムの改革の序幕を開いた。省クラスの人民代表大會および常務(wù)委員會は地方的法規(guī)の制定権を享有すると規(guī)定される。1982年の憲法は1979年の地方組織法の改革の成果を肯定し、多方面からこの改革を推進(jìn)した。全人代および常務(wù)委員會が共同で國家立法権を行使し、國務(wù)院が行政法規(guī)を制定し、國務(wù)院所屬の部?委員會が規(guī)則を公布し、民族自治地方が自治條例や単獨條例を制定することを確定した。その次に、1982年と1986年に地方組織法を二回改正し、地方的法規(guī)の制定権を省クラスの政府所在地の市と、國務(wù)院に認(rèn)可された大きな市の人民代表大會およびその常務(wù)委員會に拡大し、同じクラスの政府は規(guī)則を制定することができると規(guī)定した。この時期に、全人代およびその常務(wù)委員會は國務(wù)院と一部の地方に単獨の法規(guī)を制定する権限を何回も授與した。1997年の香港の祖國復(fù)帰、1999年の澳門(マカオ)の祖國復(fù)帰により、特別行政區(qū)の立法は中國の現(xiàn)行の立法権限システムに新たな構(gòu)成部分を添えることになった。2000年3月になると、立法システムは上述の制度を集中的に反映するものとなった。現(xiàn)在の中國では國の立法権、行政法規(guī)立法権、地方的法規(guī)立法権、自治條例と単獨條例立法権、規(guī)則制定権、授権立法権、特別行政區(qū)立法権によって構(gòu)成される新たな立法権限システムを形成されている。このシステムは中央の統(tǒng)一指導(dǎo)とある程度の分権によって構(gòu)成されたいくつかの立法部門が並存し、多種類の立法が結(jié)びついた、前のシステムより大きく発展したシステムである。経済システムの集権と分権の問題が注目されているのと同じように、立法システムの集権と分権の問題を解決することがとうとう中國の法整備の日程に組み込まれた。これは現(xiàn)段階の中國における法整備にとって大きな意義がある。
次に、立法主體の設(shè)置システムが大きな進(jìn)歩を遂げた。①人民代表大會常務(wù)委員會の整備が強(qiáng)化された。全人代常務(wù)委員會は全人代とともに國の立法権を行使している。全人代の各専門委員會は全人代の休會期間には常務(wù)委員會に指導(dǎo)される。県クラス以上の人民代表大會は常務(wù)委員會を設(shè)置する。中央から地方に至るまでの各クラスの人民代表大會常務(wù)委員會のメンバーは行政機(jī)関、裁判機(jī)関、検察機(jī)関の職務(wù)を擔(dān)うことができない。人民代表大會常務(wù)委員會委員は専任化しつつある。②人民代表大會の専門委員會と事務(wù)機(jī)構(gòu)を徐々に設(shè)立する。全人代はいま9の専門委員會が設(shè)置され、必要に応じて他の専門委員會を設(shè)置することもできる。これらの専門委員會は全人代および常務(wù)委員會の指導(dǎo)のもとで、議案を検討、審議、制定する。省、自治區(qū)、直轄市、自治州、區(qū)を設(shè)置した市の人民代表大會は必要に応じて、若干の専門委員會を設(shè)置することもできる。これらの専門委員會は同クラスの人民代表大會および常務(wù)委員會の指導(dǎo)のもとで、議案を検討、審議、制定する。中央から地方に至るまでの各クラスの人民代表大會常務(wù)委員會は徐々に事務(wù)機(jī)関を設(shè)置する。國務(wù)院と地方政府の法制機(jī)構(gòu)も設(shè)置され、立法の過程でますます重要な役割を果たすようになる。
さらに、立法権行使システムを一歩一歩と発展させる。全人代および常務(wù)委員會は議事規(guī)則を持つことになった。地方の人民代表大會およびその常務(wù)委員會の議事規(guī)則も相次いで生まれた。法律、法規(guī)、規(guī)則および他の規(guī)範(fàn)的文書の制定権はいかに行使するか、あるいは法律、法規(guī)、規(guī)則および他の規(guī)範(fàn)的文書はいかに制定するか、という立法がおこなわれ、充実されることになった。立法法の誕生につれて、中國における立法権行使システムは憲法的法律の中でかなりの度合において総括され、確認(rèn)された。
この時期の法的システムの発展は上昇の傾向を呈している。毎年多くの法律、法規(guī)、規(guī)則が制定された。2002年末までに、制定、改正した法律は400件、行政法規(guī)は約千件、地方的法規(guī)は約1萬件、行政規(guī)則は3萬件に達(dá)した。これらの法律、法規(guī)、規(guī)則がカバーする範(fàn)囲は広く、社會の各方面あるいは基本的方面がある程度法に基づいて行動することが実現(xiàn)した。従來なかった部門法も生まれた。憲法、行政法、民法、商法、経済法、社會法、刑法、手続き法などの基本的部門法および他の法的グループに含まれる完璧な法的システムが形成されていた。一部の新興の部門法は法的システムの中で重要な地位を占めている。法的システムは前憲法より優(yōu)れた新憲法を核心および基盤として、大多數(shù)の部門法は重要な法律を土臺とした。法的システムの整備はいずれも改革、開放の必要に適応することを重點とし、建設(shè)と経済體制の改革の円滑な推進(jìn)を保障し、促進(jìn)することと繋がっていた。
社會主義市場経済體制を経済體制改革の目標(biāo)と定めたあと、市場経済の法的システムの整備は戦略的任務(wù)として日程にのせられた。そのため、第8期全人代以降、中國の立法は社會主義市場経済法のシステムの構(gòu)築に力を入れ、特に①市場主體法を規(guī)範(fàn)化し、市場主體の権利と義務(wù)を明確にすることを保障する。②市場主體の関係を調(diào)整し、平等な競爭を維持する法を調(diào)整し、市場取引の中で従うべき原則を確認(rèn)し、市場主體の競爭行為を規(guī)範(fàn)化し、市場の秩序を維持する。③マクロコントロールを改善し、強(qiáng)化し、経済の発展を協(xié)調(diào)させる法を促し、市場の弱點とマイナス要素を抑制する。④社會保障制度の法を制定し、健全なものにする。市場における競爭による破産、失業(yè)などにそれ相応の社會的扶助を與え、社會の不安定を減らし、社會の安定を維持するなどの法の制定と健全化を重視する。現(xiàn)在、この枠組がすでに形成されている。
しかし、中國の立法システムは健全化されるまでにはまだほど遠(yuǎn)いものであった。現(xiàn)行の立法システムはまだ完璧なものになっておらず、多くの立法活動は成文法という制度にそうものではなかった。慣例や指導(dǎo)者あるいは関連部門の意見に従うしかなかった。在來の立法システムには欠陥や弊害が存在していたので、立法活動がこれらの制度に従うことも難しかった。立法法は自國の成功の経験を総括する點を重視したが、國外の価値のある経験を參考にして、中國の特色を世界の慣行と結(jié)びつけることを重視しなかった。政黨、政府、重要人物、重大事件、重大な変化などの諸要因が長年らい中國の立法に直接的な大きな影響を及ぼした。多くの場合、この影響の役割は事実上成文立法制度の役割より大きく、或いは相殺するものであった。中國の立法は法治化、民主化、科學(xué)化するため、世界の立法制度とリンケージし、自國の成文法とつながり、立法の中の不確定の要素を避け、さらに立法制度を完璧なものにすべきである。
立法技術(shù)はこの20年間に進(jìn)歩を遂げたが、十分には重視されていなかった。法的システムの整備には不完備、付屬立法が完璧でない、協(xié)調(diào)しあわない、統(tǒng)一しないなどの弊害を取り消す必要があった。民法?商法、経済法、行政法の関係をしっくりさせる必要があった。法の內(nèi)的構(gòu)造、外的形態(tài)も完璧なものにすべきで、法の規(guī)範(fàn)は具體性、厳密性、操作可能性が必要である。立法の創(chuàng)意、策略、予測、企畫、起草、制定、改正、補(bǔ)充、廃棄、解釈などは方略化、科學(xué)化が必要である。立法の條件と法的よりどころ、立法の方式、段取り、要求、法の整理、集約、編纂および立法の他の環(huán)も重視されるべきで、効果的な措置を取り、科學(xué)化、系統(tǒng)化される必要である。一口に言えば、中國の立法は新たな転換段階へと発展し、科學(xué)的、合理的、合法的、進(jìn)歩的な良好な基礎(chǔ)に向かう段階に到達(dá)した。しかし立法が完璧なものとなるには、まだ長い道のりを歩まなければならない。
過去を振り返り、経験を総括することによって挫折と弊害をもたらした根源、成果を収めた原因は歴史的要素、社會文化のムードの要素などがある。立法にさらに直接かつ経常的に、大きな影響と支配の作用を及ぼす要素から見れば、理論や観念の要素、経済発展の要素、國を治める方略の要素、政治體制の要素、戦術(shù)的要素、立法の要素などがある。
これらの要素を研究することによって、中國の立法の過去、現(xiàn)在、未來は下記の問題と直接関連があることがわかった。①法治であるべきか、人治であるべきか?立法は法治と法整備の中でどのような立場に立っているのか?②立法と國情の関係をいかに理解し、処理するべきか?③政権黨と立法の関係をいかに認(rèn)識し、対処するべきか?④立法の方策をどのような土臺に置くべきか?⑤どのような思想原則で立法を指導(dǎo)すべきか?立法理論と立法概念の革新をどのように見るべきか?⑥立法の大局と部門法システムをいかに科學(xué)的に構(gòu)築すべきか?⑦どのような立法権限區(qū)分システムと法源システムを構(gòu)築すべきか?⑧どのような立法機(jī)関と立法作業(yè)の機(jī)構(gòu)を構(gòu)築すべきか?⑨どのような立法運(yùn)営システムを形成するべきか?⑩立法と行政の関係をどのように認(rèn)識し、処理すべきか??立法と司法の関係をどのように認(rèn)識し、処理すべきか??立法上の中央と地方、上級と下級の関係をどのように認(rèn)識し、処理すべきか??立法技術(shù)の向上をどのように見て取るべきか?どのような方略を取るべきか??立法の評価、監(jiān)督のシステムをどのように健全化すべきか??立法上の古今中外の関係をいかに処理すべきか?國際間の立法文化の交流をいかに実現(xiàn)すべきか??立法法をいかに考え、それを制定し、健全化すべきか?