ここで北京(中國政府)が理解すべきは、中?米が軍事交流を停止している間に米國は日?韓?越(ベトナム)?印(インド)等の中國の周辺國と合同軍事演習を行い、徒黨を組んで中國の勢いに対抗する心づもりである、ということである。米國は中國の臺頭に対し警戒心を抱いており、中國に周辺國との境界関係について態度表明するよう強いているのだ。
中國が防衛主権を強めるという態度は、米國が推し進める「中國脅威論」を利することとなり、ひいては北京(中國政府)が提唱する「調和社會観」を崩壊させ、米國に主導権を握られる余地を與えることとなる。それゆえ、中?米の軍事交流は(停止を解いて)継続し、かつ発展させていくことが求められる。議論の範囲を拡大し、核兵器から地域的なミサイル防衛協力等の議題まで検討し、それによって、中?米の二強でアジアの平和秩序を共同で擔っていくべきである。加えて、対話を通じて相互理解を深め協議を通じて問題を解決していくに際して、爭いがある問題や敏感な問題についてはさしあたり棚上げすべきである。これが現実を直視した方法であり、意見の対立を拡大して互いに誤解や誤った判斷に至ることを回避することができる。
この僅か10年ほどの間に、中國の國力は向上し他方米國の國力は低下した。米國からしてみれば、中國の臺頭はすでに遠い未來の問題ではなく差し迫った懸念事項である。それゆえ、中?米関係は摩擦を経て相互理解に至る、新たな戦略協力の時代に入ることになるだろう。
米國は中國を全力で包囲し封じ込める戦略方針の決定を企図しているが、北京(中國政府)は柔軟な手段を以て中?米関係の処理にあたるべきである。米國の臺灣への兵器輸出問題を乗り越えて、米國をつなぎ止め、両國軍の関係を発展させていくことが必要である。それこそが中國がより広汎に興隆する局面の実現にほかならず、また、これは鄧小平の提唱した「韜光養晦(謀略を隠して外に表さない、韜晦する)」戦略の実踐にも合致するものである。
?中國網日本語版(チャイナネット)? 2001年10月22日