16世紀初頭、世界一周航海を成し遂げたポルトガル人、マゼランはかつて風が穏やかで広々とした太平洋を「平和の海」と呼んだ。しかし現在、太平洋資源の開発?利用で、各國による権力闘爭が白熱化している。
◆米國の戦略観、アジア太平洋中心に転換
米國はこれまで太平洋國家でありながら、20世紀に勃発した世界大戦と半世紀近くに及んだ冷戦により歐州を戦略の重點とせざるを得なかった。オバマ政権の畫期的なところは歐州を中心とする戦略からアジア太平洋へと切り替えたことだ。
一方、米軍のイラクやアフガニスタンからの撤退計畫が進む中で、オバマ大統領は軍事力を改めて再編し、東アジアと太平洋地域に対する影響を確立し直す余力ができた。昨年の西太平洋地域における米軍の軍事演習は數十回にのぼっている。米國が各國と盛んに合同軍事演習を行うのはアジア太平洋に返り咲き、朝鮮戦爭とベトナム戦爭での屈辱をぬぐうのがねらいだ。
◆日本、海洋立國戦略を太平洋で全面的に展開
日本は周囲を海で囲まれた國であると同時に、資源が極めて乏しい國でもある。海を制するため、日本は過去に米國に戦爭をしかけた。海洋資源が益々重視される今日、日本の経済界、學術界、メディアは國家海洋戦略と政策の制定を急ぐよう政府をけしかけている。
日本経済団體連合會は05年、「海洋と日本―21世紀の海洋政策への提言―」と題する報告を発表、海洋立國という目標を提案し、日本の未來の発展に対する海洋の重要性と海洋管理體制整備の必要性に詳しく言及した。07年、日本は海洋立國を根本理念とする「海洋基本法」を制定した。釣魚島(日本名?尖閣諸島)問題が起きる前、日本の外相はかつて「日本は世界第6位の大國だ」と宣言した。海域を國家の主要國土としたのは人類史上初のことだ。日本はこうして「島國」から「海洋大國」へと意識を転換した。