資料寫真
第44回東南アジア諸國連合(ASEAN)外相會議などASEANの関連會合が19日から23日にかけ、インドネシアのバリ島で開かれる。中國の楊潔チ外交部長と米國のクリントン國務長官が同會合に出席する。南中國海問題をめぐり中米、中國とASEAN加盟國が対立していることから、海外メディアは「中米外相が論戦を繰り広げる」と報じている。
◇ゴマを拾って、スイカを失う
こうした意見は大げさだとはいえない。昨年のASEAN地域フォーラム會期中に、クリントン國務長官はベトナム?ハノイで、南中國海の島嶼の領土問題は米國の國家利益に関係すると明言した。これは南中國海問題に米國が介入するシグナルだとみなされ、その後、この問題をエスカレートさせる発端となった。
キャンベル米國務次官補(東アジア?太平洋擔當)は16日のNHKの取材で、クリントン國務長官が同會合で南中國海問題について新たな意見を提示し、米國の同地域における「國家利益」を守る決意を表明すると述べた。これより前に、フィリピンのロサリオ外相は「南中國海問題が會議の主な議題となる可能性が高い」としている。
こうした発言に対し、中國國際問題研究基金會戦略研究センターの王嵎生執行主任は、「こうした宣伝は故意に問題を大きくし、南中國海問題をASEAN地域フォーラムの枠組みで強引に討論しようとしている。同地域で規模が最も大きく、最も影響力のある多國間の政治?安全保障の対話?協力メカニズムである同會合はASEANの“相互接続”をいかに実現するか、ASEAN共同體の建設をいかに推進するか、東アジア地域との協力をいかに増進するかなど、本來話し合うべき議題が數多くあるのに、感情的に南中國海問題を取り上げることで、會議の議事日程が狂う恐れがある」とした。
ASEANの一部の國が米國について南中國海問題を取り上げれているが、細かいことに気を取られ、結果的にゴマを拾ってスイカを失うことになりかねないと専門家は指摘する。
◇米國介入でASEANの地域主導権弱まる