東アジアサミットに今年初めて、オバマ米大統(tǒng)領(lǐng)が出席した。オバマ大統(tǒng)領(lǐng)とクリントン國務長官はアジアで一連の演説も行った。オバマ大統(tǒng)領(lǐng)はオーストラリアへの米軍2500人の駐留を発表、クリントン長官は21世紀は米國にとって「太平洋の世紀」になると発言した。米國の大仰なアジア回帰の動きに世界が注目している。（文：呉建民。「人民日報海外版」コラム「望海樓」掲載）

オーストラリアの著名な學者、ヒュー?ホワイト元國防次官はウォール?ストリート?ジャーナル紙への寄稿「オバマ?ドクトリン」で、オバマ大統(tǒng)領(lǐng)のアジア訪問について、「オバマ?ドクトリン」の誕生を象徴するものと指摘し、「トルーマン?ドクトリン」と同列に論じた。「トルーマン?ドクトリン」はソ連封じ込め政策で、米ソ冷戦の開始を象徴する。「オバマ?ドクトリン」は中國封じ込め政策だ。ホワイト氏はこれを重大な過ちと指摘。「この戦略を堅持すれば、米國は重い代償を支払うことになる」と論じた。

「オバマ?ドクトリン」の下で、新たな冷戦は勃発するだろうか？

この問題に答えるには、まず現(xiàn)代世界の大勢を把握しなければならない。國際情勢は複雑に入り組み、次々と新たな動向が生じている。大勢を把握するには、要の部分を押さえなければならない。時代はすでに戦爭と暴力革命の時代から、平和と発展がテーマの時代に入った。平和、発展、協(xié)力は妨げることのできない時代の潮流だ。もちろん世界には冷戦、対抗、衝突という別の潮流もある。

次に、雙方にその気がなければ冷戦は戦われない。米ソが冷戦を戦ったのは共に世界覇権を爭っていたからだが、中國に世界覇権を爭う考えはない。中國の國策は「覇権を唱えず」だ。また「平和、発展、協(xié)力」と「冷戦、対抗、衝突」の2大潮流のせめぎ合いの中で、中國は前者の潮流を確固不動として支持し、後者の潮流に斷固反対してる。中國が米國と新たな冷戦を戦うことは斷じてない。

さらに今日の中米関係はかつてのソ米関係とは本質(zhì)的に異なる。ソ米関係は覇権爭いが中心だったが、中米関係は協(xié)力が中心だ。ソ米間に経済的相互依存関係は何らなく、相互貿(mào)易額は最多でも年40億ドル程度に過ぎなかったが、中米貿(mào)易額は4000億ドルにも達している。ソ連は米國債を保有していなかったが、中國は世界最大の米國債保有國だ。ソ米は絶えず足場を掘り崩し合い、代理戦爭を行ったが、中國は過去30數(shù)年間の臺頭の過程で経済成長の成果を米國を含む世界と分かち合い、互恵?ウィンウィンを?qū)g現(xiàn)している。こうした中國の行動は決して便宜的措置ではなく、平和的発展戦略によって決定づけられたものだ。

胡錦濤國家主席は12日にホノルルでオバマ大統(tǒng)領(lǐng)と會談した際「共に大國である中米にとって、唯一の正しい選択肢は協(xié)力の強化だ。相互尊重と互恵?ウィンウィンに基づく中米協(xié)力パートナーシップの発展は、両國が共通の利益、共通の責任、共通の戦略に基づき決定した重大な政策だ。雙方はこの位置づけをしっかりと押さえ、確固不動として中米協(xié)力パートナーシップをしっかり構(gòu)築し、両國関係の安定的発展の基調(diào)が長く続くようにすべきだ」と述べた。この言葉は、中國の対米方針を明確に表明している。

「人民網(wǎng)日本語版」2011年12月16日