激しく揺れ動く國際市場や蔓延する歐州財政危機を背景に、SCO加盟國は幅広い経済協力を展開することで、リスク抵抗力の向上に取り組む。さらに金融やエネルギー、食糧などの安全保障をめぐる協力のあり方を模索するほか、企業間の連攜や國境地域間の経済交流、災害対策?環境保護などの分野における協力を強化する方針だ。
中期計畫の承認は非常に重要な戦略的措置だ。SCOは萬全を期して新たな段階に駒を進める。次の10年間は、多國間協力における具體的な課題が多數浮き彫りとなるとみられる。早期に対策を検討し、分野ごとに協力の重點を明確化した上で、優先課題から解決に取り組めば、効率的に成果を挙げることが可能だ。
次の10年は、安全保障や経済などの重點分野のほか、文化や政治などの分野における協力も焦點となる。教育、文化、體育、保健、観光、メディアの協力?交流は相互理解や友情の増進につながる。國際?國內問題で互いに支持し合い、より多くの國?地域の組織と協力を密にすれば、國際社會からの関心を一層集め、影響力や求心力を発揮することができる。
多國間協力の全面的推進に関する計畫が承認されたのは、SCO設立以降初めて。今後は、計畫が掲げる原則に基づいて具體的な措置が練られる。豊富な內容が盛り込まれた中期計畫は、多國間協力とメカニズム構築の方向性を指し示す指針として重要な意味合いを持つ。同時にこの計畫は、SCOが成熟度や行動力を日増しに高め、巨大な潛在力を発揮しつつある証でもある。(筆者 中國社會科學院上海協力機関研究センター事務長 孫壯志)
「人民網日本語版」2012年6月8日