中國は経済成長パターンの転換の加速を通じて、世界経済が新たな成長を迎えるための準備を他に先駆けて整えることができる。これは世界経済の回復過程における中國の重大な貢獻を意味し、底打ち後の世界経済に中國経済が一層プラスの役割を果たせることも意味している。（文：鍾聲）

先日公表された経済データは、中國の第2四半期の國內(nèi)総生産（GDP）成長率が7.6％となり、國民経済は全體的に平穏で、経済は安定しつつ成長していることを示している。中國が最近、安定成長の確保という新たな措置を打ち出したことで、國際市場は中國経済の順方向の影響を感じている。だが外國には中國経済に対する弱気の見方や、その衰退を予測する論調もある。マクロコントロールのたゆまぬ強化?改善という中國経済の現(xiàn)実に対する正確な把握を明らかに欠いた論調だ。

現(xiàn)段階の中國経済の減速は國內(nèi)外の要因が共に作用した結果だ。外部環(huán)境について言えば、世界金融危機によって先進國が成長の力を失ったことの、中國の経済運営への悪影響は極めて明らかだ。最新のデータは第2四半期に貿(mào)易黒字が大幅に回復したことを明示しているが、これは輸出加速と輸入減速の結果では決してない。中國の対米日歐輸出の伸びは明らかに減速し、東部地域の経済成長にとって大きな制約となっている。

內(nèi)部要因について言えば、目下の中國経済の減速は世界金融危機の殘した後遺癥でもある。危機の段階で中國は大規(guī)模な景気刺激策によってその衝撃を防ぎ止めることに成功したが、客観的に見れば、これはその後のインフレや不動産価格の急騰をもたらすことにもなった。後に、消費需要の貢獻度が著しく高まらない中、不動産などのマクロコントロールの実施によって、內(nèi)需は減速へ向かった。これはサイクルに逆らう政策的選択に必ず伴う追加コストだ。

注目すべきは、中國経済の減速過程においてインフレ圧力が明らかに緩和へ向かったという點だ。これによって中國経済は「ハードランディング」を回避する條件を手に入れた。より長期的に見ると、これは中國経済の構造調整と成長パターンの転換にも資する。経済の減速自體が企業(yè)に新たな成長軸を模索し、技術革新への投資を増やし、さらに新たな産業(yè)発展のニーズに適用することを余儀なくさせる。また、低インフレは生産要素価格決定メカニズムの改革に環(huán)境を整える。この意味において、経済の減速と低インフレは経済成長パターンの転換の加速にタイムウィンドウを提供したと言える。

中國経済の「衰退の予測」も「ほめ殺し」も、次の段階の中國の経済政策の選択に影響を與えることはない。中國の経済政策は「ハードランディング」の予測が現(xiàn)実化することを許さないし、一部の國が危機を抜け出すために自國の経済成長の持続可能性を犠牲にすべきでもない。

現(xiàn)在、圧倒的多數(shù)の新興國は先進國の債務危機によって経済減速の脅威に直面している。中期的に見れば現(xiàn)在の債務危機は世界金融危機の延長線上にあり、先進國が「ディレバレッジ」を実現(xiàn)するにはまだ長い道のりを歩まねばならない。世界経済が低成長を抜け出すには少なくとも（１）「ディレバレッジ」過程を完了する（２）新たな産業(yè)成長軸を見出す??という2つの條件を満たさなければならない。

國內(nèi)外の経済情勢が比較的複雑で、中國経済が下押し圧力に直面する中、われわれは憂患意識を持つと同時に、信念を強化し、安定した経済成長という大きな取り組みを達成しなければならない。中國は経済成長パターンの転換の加速を通じて、世界経済が新たな成長を迎えるための準備を他に先駆けて整えることができる。これは世界経済の回復過程における中國の重大な貢獻を意味し、底打ち後の世界経済に中國経済が一層プラスの役割を果たせることも意味している。

「人民網(wǎng)日本語版」2012年7月16日