第18回黨大會が打ち出した民族復興の「中國の夢」は人々を奮い立たせるものだ。新中國から現在までに「生存を求める」30年と「豊かさを求める」30年を経てきた。今後は「強さを求める」設計を行うことになる。(文:戴旭?海洋安全と協力研究院院長。環球時報掲載)
今年は中露米日の指導者が同時に交代した。中國人が強國の夢を描く中、各國政府も各々の國家戦略を旗幟鮮明に打ち出している。同一の時空において、彼らの「夢」と中國の「夢」が重複、衝突しないことはあり得ない。したがって中國は自他を共に知り、時勢をよく推し量らなければならない。
中國は対米外交の正しくない傾向を是正すべきだ。長い間中國の學界は、米國は中國の発展にとってことのほか重要であり、中國の外交関係における重要中の重要であるとの認識でほぼ一致していた。実際には、今日の米國の対中支援は以前の舊ソ連よりずっと少ない。小康(ややゆとりのある)社會の建設という中國の総目標について言えば、米國と日本は中國に市場?技術面の支援を行い、ロシアは中國にエネルギー?政治面の支援を行っている。アフリカ、米州の多くの國々も、中國にとって重要だ。したがって中國は外交における米國の重要性を引き下げ、他の國々の重要性を高める必要がある。
中國が過去30年間いわゆる戦略的チャンス期にあったのは、天から降ってきたのではなく、完全に韜光養晦(能力を隠して好機を待つこと)の結果でもなく、國際政治の矛盾した動きと中國政治の努力が共に作用した結果であり、一部原因は東洋を顧みる余裕が米國になかったことにある。現在、中東イスラム世界に対する米國の征服はすでに終わりに近づき、シリア、イランへの実行は間近だ。このため世界戦略の重點を事前準備的にシフトし、中國について解決するつもりでいる。中國の前方の楯は間もなく全面的に倒れる。中國が棚からぼた餅的な「戦略的チャンス期」をさらに望むのは恐らく夢物語でしかない。