米保健福祉省と米國土安全保障省が26日に発表したデータによると、米政府は米國とメキシコの國境地帯において、保護者のいない子供1萬8000人を収容?拘束した。統計によると、今年2月に約10萬人の移民が南部の國境地帯から米國に入ろうと試み、昨年6月の4倍以上にのぼった。國境地帯の不法移民の激増は、前政権の違法移民を対象とする措置をバイデン政権が撤回したためと分析されている。中央アメリカの一部の人々は米政府の曖昧な姿勢を、米國に入るための「新たな希望」と解釈し、數千キロに渡り北上している。
米當局は増加を続ける移民、特に保護者のいない子供を収容できず、多くの移民が國境地帯の臨時収容所もしくは留置所に滯在している。米メディアのスクープ寫真によると、拘束されている子供は混雑のため床に眠り、プラスチック板でグループ分けされている。さらに米メディアの統計によると、米當局が近年拘束した26萬6000人の移民の子供のうち、2萬5000人以上が100日以上も拘束され、1000人弱が難民収容所の中で1年以上も過ごした。拘束期間が5年以上の人も多い。メキシコ?ラテンアメリカ社會科學院の研究員は、メキシコと米國の國境で現在「人道主義の危機」が生じているとした。
米國の移民への無責任な態度は今に始まったものではない。昨年の新型コロナウイルスの感染狀況が最も深刻な時期に、米政府は中央アメリカからの移民に対して十分な感染対策を講じず粗雑に追い払い、ラテンアメリカ諸國の防疫情勢をさらに悪化させた。目下の「過去20年で最も深刻な不法移民の潮」について、米國とメキシコの國境地帯における不法移民問題の処理を擔當するハリス副大統領は「責任はトランプ前大統領にある」と述べた。共和黨議員は、バイデン政権はトランプ氏の不法移民に対する強硬政策を撤回すると約束したが、これにより越境する移民が激増し危機が生じているとした。米両黨は人道主義よりも政黨の利益を重視し、移民問題で互いに批判し、この「玄関先」の危機を深刻にしている。
皮肉なことに、不法移民の増加と生存條件の悪化が続く中、米政府はこれが「危機」であることを否定している。ホワイトハウスのサキ報道官は、國境地帯に子供がいることは「危機ではない」とし、彼らは「暴力から逃げている」と述べた。米當局は過去數週間に渡り、子供が留置所にいる寫真の公開を阻止しようとし、メディアによる現場の取材を拒否してきた。人々を欺こうとする心理が誰の目にも明白だ。
「中國網日本語版(チャイナネット)」2021年3月30日