トランプ政権の「インド太平洋戦略」に経済の支柱が欠けるという不足を補(bǔ)うため、バイデン政権は2022年2月に「米國のインド太平洋戦略（U.S. Indo-Pacific Strategy）」文書を発表し、「インド太平洋経済枠組み（IPEF）」の構(gòu)築を同戦略的行動計畫の重要な構(gòu)成部分とした。バイデン米大統(tǒng)領(lǐng)は2022年5月23日の日本訪問中にIPEFの立ち上げを正式に宣言した。米國のインド太平洋戦略の経済の分枝であるIPEFには、中國の地域における経済的な影響力を削ぎ落とし、中國に対する競爭力の形成を急ぎ、米國のインド太平洋地域における経済面の覇権的な地位を固めるという目的がある。そこで米國は産業(yè)チェーンの再構(gòu)築やフレンド?ショアリングなどの手段を通じ、自ら主導(dǎo)し中國を排斥する「小グループ」を構(gòu)築しようと愚かにも企んだ。このやり方はアジア太平洋諸國間で形成済みの良好な経済?貿(mào)易協(xié)力関係を破壊し、地域の平和?安定?発展をも破壊する。

?。ㄒ唬┑赜蚪U済一體化の協(xié)力の歩みを妨げようとする。2022年の年初、アジア太平洋15カ國が8年間の交渉を経て合意に至った「地域的な包括的経済連攜（RCEP）協(xié)定」が正式に発効した。アジア太平洋自由貿(mào)易圏の建設(shè)、最終的なアジア太平洋地域一體化の実現(xiàn)に向けしっかり基礎(chǔ)を固めた。米國が構(gòu)築したIPEFは排他的かつ対抗的で、同地域の一體化の流れに背く。まず、RCEP參加國である中國、カンボジア、ラオス、ミャンマーの4カ國を除外している。その一方でいわゆる「高基準(zhǔn)」により、貿(mào)易やデジタル経済などのルール及び基準(zhǔn)の策定の主導(dǎo)を試み、各國に立場表明を働きかけている。排他性を出発點とするIPEFが、地域経済一體化及び経済グローバル化の大きな流れに合わず、地域の協(xié)力に壁を作ったことは明らかだ。

　（二）アジア太平洋で形成済みの産業(yè)チェーン及びバリューチェーンの破壊を試みる。バイデン政権は半導(dǎo)體産業(yè)への補(bǔ)助の法整備を促し、産業(yè)を本國に戻し外資を集めている。現(xiàn)在すでにサムスン電子、ハイニックス、TSMCなどの世界的に有名な半導(dǎo)體メーカーが米國本土での投資の拡大を発表している。その一方で、米國はアジア太平洋の同盟國及びパートナーの力を借り、その半導(dǎo)體産業(yè)の権力の影響範(fàn)囲を拡大し、自國のサプライチェーンの安全を保障している。例えば米國は米日豪印「クアッド」の首脳會合で「重要技術(shù)サプライチェーンに関する原則の共同聲明」を発表し、半導(dǎo)體及びその他の重要技術(shù)分野の協(xié)力推進(jìn)を強(qiáng)調(diào)した。米國は日本、韓國、中國臺灣と共同で「半導(dǎo)體クアッド」を構(gòu)築し、レジリエンスを備えたサプライチェーンの重要な支柱とした。米國は自國の利益のために、同盟國及びパートナーを巻き込みアジア太平洋経済のサプライチェーンとバリューチェーンの再構(gòu)築を試み、地域経済協(xié)力を破壊する最大のトラブルメーカーになった。

　（三）中國抑圧の「小グループ」を形成し、中國をバリューチェーンのミドル?ローエンドに固定させようとする。バイデン政権はフレンド?ショアリングに取り組み、単一の國（特に競爭相手國）に対するサプライチェーンの依存を弱めている。そこで米國は「有志國」に対してサプライチェーンの構(gòu)築を呼びかけ、企業(yè)に投資先の調(diào)整を迫っている。重要技術(shù)、重要資源、重要能力、重要投資などの産業(yè)チェーン分野を有志國に向けることで、サプライチェーンの安全と強(qiáng)靭性を?qū)g現(xiàn)しようとしている。その目的は、中國と米國の間で立場をはっきりさせるよう関連國に迫り、中國との「デカップリング?チェーン寸斷」を図り、中國の現(xiàn)代化発展の歩みを妨げることだ。中國は世界経済の重要な成長源だ。米國が同盟國と共に中國を抑圧し、中國の前進(jìn)を阻止することは、地域ひいては世界の平和的な発展に影響を及ぼす。

　インド太平洋戦略の経済的支柱であるIPEFは、ASEANの地域內(nèi)における中心的な地位を形骸化し、かつ「世界の工場」である中國まで除外した。アジア太平洋を分裂させ、中國と地域諸國の経済?貿(mào)易関係を斷とうとする意図が非常に顕著だ。冷戦終了後、アジア太平洋経済が急成長を維持し、世界の平和?安定の錨、経済発展の成長源、協(xié)力の新高地になったことは周知の通りだ。ところがIPEFは経済問題を政治化?武器化?イデオロギー化させ、経済デカップリング、技術(shù)封鎖、産業(yè)チェーン寸斷を人為的に作り出し、発展の格差を広げた。地域の安定と発展を大きく破壊し、地域諸國の全體的かつ長期的な利益を損ねた。地域內(nèi)の國は「小グループ」の発想に自覚的に反対し、地域の得難い協(xié)力の成果を守り、共に地域経済一體化を持続的に推進(jìn)し、アジア太平洋運(yùn)命共同體を構(gòu)築するべきだ。（筆者?倪月菊 中國社會科學(xué)院世界経済?政治研究所研究員、國家グローバル戦略シンクタンク客員研究員）

　「中國網(wǎng)日本語版（チャイナネット）」2023年8月21日