舊日本軍の細菌戦被害者による対日訴訟の控訴審判決が19日、東京高裁であった。2002年8月の東京地裁一審判決の見解を維持し、中國側被害者の賠償要求を退けた。高裁は判決の中で、日本が侵略戦爭の期間中に中國で細菌戦を行った事実を認めた。だが、1947年の國家賠償法施行前は國の責任を問わない「國家無答責の法理」や時効などを理由に、原告団が求めた日本政府の謝罪と賠償は回避した。
いわゆる「國家無答責」は、日本の明治時代の古い法律の原理で、國家の行為で個人を傷つけたり損失を與えても、國家はいかなる責任も負わないという意味だ。戦後になり、この法理は否定された。にもかかわらず日本の裁判所が既に効力を失った法理を援用し、日本が引き受けるべき國家責任を逃れた。さらに、「國家無答責」は日本政府の日本國民に対する義務と責任に関するものだが、対日賠償請求をしている原告は日本國民ではない。したがって日本政府が責任を免れる根拠にはなりえない。國際的に広く認められた決まりに基づくと、日本の対中侵略戦爭は戦爭行為であり、國際法の義務に違反した國は、國際法上の責任を必ず負わねばならない。その責任は、他國の主権侵害など、重い國際的な犯罪行為の責任に加え、外國人の身體や財産に被害を與えるなど一般的な國際的な犯罪行為に対する責任も含まれる。
いわゆる「時効の超過」は、日本の現行の民法724條による。「不法行為による損害賠償の請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から3年間行使しないときは、時効によって消滅する。不法行為の時から20年を経過したときも、同様とする」という條文だ。ただしこれについて、日本の法律は例外も規定している。すなわち「不可抗力を理由に訴訟の時効を中斷できる」ということだ。また國連総會で1968年11月26日に通過した「戦爭及び人道に対する罪に対する時効不適用條約」でさらに明確に規定している。つまり、ニュルンベルク國際軍事裁判所條例と戦爭被害者保護のためのジュネーブ條約に定義された戦爭犯罪については、戦時に犯されたか平時に犯されたかを問わず、人道に対する罪、武力攻撃又は強制による追立て、アパルトヘイト政策に基づく非人道的行為、集団殺害罪などの行為に対し、すべて時効を適用しない。主犯者または共犯者である國家當局の代表や個人は、犯罪を行った日時に関係なく、すべて責任を負わなければならず、永遠にその責任を追及される。
したがって、いわゆる法律上の時効は存在せず、どれほど時間が経っても提訴できる。時効の超過を理由にした判決理由が、この法律原則に真っ向から違反しているのは明白だ。
第2次世界大戦中に中國の民衆が受けた被害は,當時の日本政府の政策が原因であり、日本軍の行った非人道的行為による。責任ある政府ならば、被害者に合理的な救済を行う機関を設立したり、法を定めたりする義務を負っていることは理の當然である。戦爭が殘した問題の解決が難しい根本的な原因は、日本政府の侵略の歴史に対する認識と反省が足りないことにある。日本軍の侵略戦爭の硝煙はすでに遙か昔のできごとなのに、戦爭が中國の人民に殘した心や身體の傷は、今日にいたるまで完全には癒えていない。戦爭が殘した各種の問題を直視し、問題を解決する方法を探ることが、ほかでもなく両民族が和解を目指して努力し、未來の繁栄を勝ち取る前提だ。日本の司法界による過ちの繰り返しが、(両民族の和解と繁栄に)否定的な作用を及ぼしたのは明らかだ。
「人民網日本語版」2005年7月20日